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狩人が斬り裂く
初夜
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ように構えて腹部に突き刺す。

―――グゥッ!

 男の右手は獣の腹部を貫き、内臓を藁でも束ねるようにしっかりと掴んでいた。そしてそれを引っ張る。渾身の力を込めて、獣の内臓を引っ張り出す。

―――ギャアアアァァァ……!

 獣は吹き飛び、臓物と血液をまき散らして絶命した。その亡骸が痙攣するも、十数秒後にはピタリと止まった。
 結局のところ、窮鼠は猫を噛まなかった。ネズミがいくら命を絞ったところで、猫には児戯でしかないということだ。

「……」

 男は獣の臓物を放り捨て、ノコギリを拾う。辺りを見回しても生き物の気配はまるでない。皆死に絶えてしまった。

「……」

 狩人は天を仰ぎ、月を見る。
 ここがどこなのか、どうしてここにいるのか、彼にはわからない。だが一つだけ、確信して言えることがあった。

 ―――ここは、良い狩り場だな


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