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オズのポリクローム
第五幕その二

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「多くても別に何もないから」
「うん、むしろお姫様が大勢いたら華やかだね」
「確かに。お姫様が多いと何か」
「だからオズの国はお姫様が多いんだ」
 魔法使いは神宝にもお話しました。
「あちこちにいるんだよ」
「ドロシーさんもお姫様で」
 カルロスはポリクロームも見てお話しました。
「ポリクロームさんもそうで」
「ベッツイさんやトロットさんもよね」
「オズマ姫だってそうだしね」
 恵理香とナターシャも二人でお話します。
「アン王女もおられて」
「他にも」
「よかったら君達もどうかな」
 魔法使いはにこりと笑って恵理香とナターシャに誘いをかけました。
「お姫様になってみるかい?」
「えっ、私達もですか」
「お姫様にですか」
「うん、君達は今はオズの国の名誉市民だけれど」
 それをというのです。
「お姫様になってみるかな」
「ううん、それは」
「ちょっと」
 二人は魔法使いからのお誘いに遠慮して答えました。
「私達そんな」
「お姫様になるなんて」
「ちょっと、ね」
「そうよね」 
 二人でバツの悪いお顔でお互いにお話するのでした。
「そんな立場になるなんて」
「恐れ多いっていうか」
「あまりね」
「いいわ」
 こうしたことをお話してでした、二人で魔法使いに答えました。
「いいです、それは」
「私達がお姫様になることは」
「遠慮させてもらいます」
「今のままでいいです」
「そう、君達がそう言うのならいいいよ」
 二人にそのつもりがないならとです、魔法使いも答えました。
「そういうことでね」
「なりたくなったら何時でも言ってね」
 ドロシーも二人ににこりと笑って言いました。
「お姫様になれるから、貴女達も」
「ううん、名誉市民してもらっただけじゃなくて」
「私達は、ですか」
「お姫様にもなれるんですね」
「このオズの国の」
「そうだよ」
「あと君達もだよ」
 ジョージ達にはトトが言いました。
「君達さえよかったらね」
「ええと、僕達は男の子だから」
「それじゃあね」
「王子様になるのかな」
「うん、そうだよ」
 まさにその通りだというのです。
「君達は王子様になるよ」
「ううん、僕達が王子様って」
「ちょっとね」
「考えられないよね」
 三人はトトの言葉に戸惑って少し困った様に笑ってお互いにお話しました。
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