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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第35話:休日だって休まらない
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00点満点中95点以上をとった者だけが得られる制度である。

定員オーバーの場合は、面接で合否を決めるそうだが、実は密かに受講者の経済状況なども調べて結果に反映させてるそうだ。
詳しい事は聞いてない。下手に首を突っ込むと、俺の仕事が増えそうだったからね。

余談だが、軍事高等学校は奨学金制度が他のと違い、該当者枠が無制限で合格ラインも100点満点中70点以上と低く、財力に難のある者でも沢山勉強出来る学校になっている。
だが、このシステムには罠があり、軍事高等学校を奨学金該当者枠で入学した者は、国が負担した学費を分割で返金しなければならないのだ。

在学中は国が学費を負担するが、卒業したら必ず軍に入隊しなければならない。
そして給料から天引きで学費返金させられる。
勿論、途中退学者も条件は同じで、例えば入学1年で退学した場合、それまでの学費を全額返金しなければならないのだ。

一括にするのか分割にするのかは学校側と相談して決めるらしいが、安易に入学するべきじゃないと思うね……俺は。
話を元に戻そう。

そんな芸術高等学校に視察へ行った俺は、自分の画力の無さに愕然としたのさ。
何故なら、みんな上手いんだよ!
1年生クラスを視察させてもらったんだけど、レベル(たけ)ぇ〜のなんのって……

色んな技法を駆使して1枚の絵を完成させて行くんだけど、見たままを描くのなら俺にも分があるけど、芸術的な絵に仕上げるとなると俺には到底真似出来ない。
悟ったね俺は……所詮俺の絵は記録用であると。

だからリュカさんも俺にスタジアム建設を記録させようと指示を出したんだよ、きっと。
記憶力が良く、何でも一瞬で習得しちゃうのが天才だと思ってたけど、記憶した知識などを駆使して新たなる物を作り上げる者こそ、本当の天才なんだと痛感した。
まさにリュカさんだったり、あの高等学校の生徒さん達が、天才と称される人間なんだろう。

そんな訳で、俺は自分の事を天才だと思わない様にした。
嫌味などを言ったり戯けて見せたりする為に自称天才と言う事があっても、本当は違うんだと肝に銘じて生きて行く事にしたんだよ。

さて……あんまり深く考えると、折角の心の休日にストレスが溜まってしまうので、気持ちを切り替えて作画に励む。
この一本杉からはグランバニアの城下町を一望出来、目的のスタジアムも日々変貌を遂げている。

さっきの話と被るが、記憶力だけはピカイチな俺は既に今日描く分は記憶してしまい、自室に戻って作画をしても問題ないのだが、帰ると彼女二人が迫ってきて休まらないのでこの場で描き切る事にしている。

でも、そんな平穏な時間を安易に与えてくれないのが運命というモノで……
何時もは誰も来ないこんな辺鄙な場所へ、俺と同じ様な画材セットを携えた
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