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オズのポリクローム
第四幕その九

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「そんなことしたら」
「そうなんだよね、だからね」
「我慢してるんだね」
「そうなんだ」
「その方がいいよ」
 ジョージはまた神宝に言いました。
「さもないと落ちて大変なことになるよ」
「落ちたらやっぱり死ぬかな」
「死にはしないけれど」
 ここで、でした。ドロシーがカルロスに言いました。
「オズの国では誰も死なないから。けれどね」
「それでもですか」
「落ちたら怖いし」
 それにというのです。
「痛いわよ」
「そうなんですね」
「だから落ちたら駄目よ」
 絶対にというのです。
「死ななくてもね」
「わかりました、それじゃあ」
「はしゃぎたくなる気持ちはわかっても」
 それでもというのです。
「落ちない様にね」
「そうします」
「さて、ではね」
 トトとカルロスのはしゃぐ気持ちを抑えてからです、そのうえで。
 皆を先に進ませるとです、宮殿の方からです。
 虹色の生地の薄いギリシアの女神みたいな服を着た娘が来てでした。皆の前にくるくるとした動きと一緒に言ってきました。
「いらっしゃい、待ってたわ」
「久しぶりね」
 ドロシーがそのポリクロームに笑顔で応えました。
「元気そうね」
「ええ、貴方達もね」
「今回ははじめて貴女のお家に来たけれど」
 それでもというのです。
「何か雲の上ってね」
「どう?歩いてる気持ちは」
「不思議な気持ちよ」
 とてもというのです。
「私もね」
「そうなのね、貴女も」
「ええ、それじゃあね」
「今から私のお家に入って」
「楽しんでいいかしら」
「そうして欲しくて来てもらったのよ」
 ポリクロームは微笑んで、です。ドロシーに答えました。
「貴方達にね」
「それじゃあ」
「ええ、今からね」
「お家に入って」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「楽しんでね」
「わかったわ、それじゃあね」
 こうしてでした、皆はポリクロームに彼女のお家に案内してもらうことになりました。そのギリシアの神殿を思わせるその中に。
 お家の中はとても奇麗でした、壁も柱も雲の様に真っ白で。
 床も白くてまるで雪みたいでした、中も神殿を思わせる造りです。
 その中を案内されてです、ジョージは周りを見ながら言いました。
「何かお家というよりは」
「神殿みたいよね」
「はい、どうも」
 こうドロシーにも答えます。
「そんな感じです」
「そうね、奇麗でね」
「神秘的な感じがして」
「とても不思議な場所です」
「これが私達のお家なの」
 案内をしているポリクロームがジョージ達に答えてきました。
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