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歌集「春雪花」
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 住み慣れし

  家も終りと

   なりにけり

 眺めし山並み

    君に会いたき



 父が逝き、この住み慣れた家も住むには無理がきている。
 修繕するも建て直すも、遺産は多額の借金だけ…これでは出ていくしかないが、育ったこの土地の山並みを眺めていると、不謹慎にも…直ぐにでも彼に会いたいと思うのだ…。

 ここを離れれば…もう、会うことは叶わないだろうから…。



 幾星霜

  君を想えば

    忘れじか

 静寂落つる

     秋の朝焼け



 この先、一体どれくらい星を眺め、霜を踏みしめれば彼への想いは消えるのだろう…。

 父の葬儀を終え二日経て、一人で閑なる朝焼けを迎えると…落ちる陰が静けさを強調し、彼の顔が見たくて仕方が無くなってしまう…。

 我が儘に生きて逝った父…土台、私も我が儘なのだろう…。




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