暁 〜小説投稿サイト〜
異世界を拳で頑張って救っていきます!!!
遺跡出現までの10日間【2日目】 その5
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
【2日目】 その5

「全員下がれえええええ!!!」

 僕は無我夢中で叫ぶが、槍使いのエルフさんは短剣使いのエルフさんが無残に殺された現場を見て呆然と立ち尽くし全く動いてくれない。ローラさんも悲鳴を上げるとその場にへたり込んでしまう。これは戦力にはならないな……。

「ちっ……」

 僕は舌打ちしながら見方を逃がすことをあきらめ敵の迎撃に専念することにする。さっきチラッとだけ空間が不自然に動いているのが見えたがあれはいったい何なんだ……。また隠ぺい魔法ってやつか……。それにしてもあそこまで見事に気配を消せるなんて……生物なのか……。

「どこだっ! でてこい!!」

 無駄と分かりつつ僕は見えない敵に向かって叫ぶ。あたりを必死に見渡すが全く見えない。

「ごふっ……」

「「!?」」

 突然槍使いのエルフさんが口から血を吹きだす。いつの間にか槍使いのエルフさんの分厚い胸には大穴が開いており血が大量に吹き出していた。ん……? うっすらとだが何か腕のようなものが胸を貫いているように見えるぞ……。

「逃がすか……よおおおおおおおおおお!!!」

 槍使いのエルフさんは瀕死の重傷を負いながらも自分の胸を貫いている腕のようなものを両手で必死に掴む。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 気づいた時には両足が動いていた、僕は無我夢中で槍使いのエルフさんへと駆け出すそして―――――――――――

「うりゃああああああああああああああああああああ!!!」

 渾身の力を込めて体を半回転させながら槍使いのエルフさんの後ろに立ていると思われる『見えない何か』に向かってナックルをはめた右拳を叩きこむ。

 バキンッ!!!

 何か金属が折れるような音ともに見えない何かが吹っ飛んでいくのがわかる。とても固い……少なくとも木材以上……いやコンクリート並だ……。崩れ落ちた槍使いのエルフさんを横目で見るとロボットの腕のようなものが胸から突き出ていた。

「ゴフッ……」

 最後の力を使いきった槍使いのエルフさんは冷たい大理石にバタリと力なく倒れる。

「なによ……あれ……」

 ローラさんが驚愕の表情で『何か』が吹っ飛んでいった場所を指さしたので、僕は槍使いのエルフさんの死を悲しむ間もなく無理やりそこに視線を向ける。

「ミギウデノソンショウヲカクニン、『ステルスモード』ヲイジデキナクナリマシタ」

「ッ!?」

 僕の視界には右腕から激しく青い火花を散らしながら立ち上がろうとしているロボットの姿があった。まるでどこかのSF映画に登場するような恰好をしたロボットはあちこちひび割れ、ところどころ塗装が剥げ、錆びつ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ