暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜黒の剣士と神速の剣士〜
SAO:アインクラッド
第20話 集合場所で
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左右に斬り払うと、わっと歓声が巻き起こった。
キリトはクラディールに歩み寄ると剣を背中の鞘に納めながら言った。

「武器を替えて仕切りなおすなら付き合うけど……もういいんじゃないかな」

クラディールはうずくまりながら体を細かく震わせていたが、やがて軋るような声で「アイ・リザイン」と発声した。
直後、開始の時と同じ位置にデュエルの終了と勝者の名を告げる紫色の文字列がフラッシュした。
再びワッと歓声が上がる。
クラディールはよろけながら立ち上りギャラリーに向かって喚くとキリトの方に向き直り言った。

「貴様……殺す……絶対に殺すぞ……」

クラディールは三白眼に憎悪の色を浮かばせながらキリトを睨む。
アスナはキリトの傍らにスッと歩み出すとクラディールに言った。

「クラディール、血盟騎士団副団長として命じます。本日を以て護衛役を解任。別命あるまでギルド本部にて待機。以上」

「……なん…なんだと…この…」

クラディールはぶつぶつと何かを呟くとマントの内側から転移結晶を掴み出し「転移……グランザム」と呟き、青光に包まれ消え去った。
俺はクラディールが消えるのを確認してからキリトの所へ行き声を掛けた。

「面倒くさい奴に目を付けられたな、キリト」

「助けてくれてもよかったんじゃないか?」

「キリトなら問題ないだろ」

「はぁ……」

キリトはげんなりとしながらため息を吐く。
サキはアスナの所へ駆けつけると言った。

「アスナ、大丈夫だった?」

「うん。大丈夫。ごめんね、嫌なことに巻き込んじゃって」

「気にしないで、アスナ」

アスナは少し疲れた様子だったがいつもの調子に戻った。
その様子を見てサキはニッコリと微笑むと振り向いて言った。

「カゲヤ君、今日は息抜きさせてもらうから前衛(フォワード)よろしくね!」

「それじゃあ、キリト君にも頑張ってもらおうかしら」

「「はぁ!?」」

俺とキリトはギョッとしながら叫ぶ。

「待ってくれサキ。それは流石に……」

「そうだぞ。前衛は普通交代だろう!」

俺とキリトは必死に抗議するが聞いてもらえず「さあ、行こ〜」とサキが言いながらアスナと一緒に街の外に続く道をすたすたと歩き出す。

「「まじか……」」

俺とキリトはため息を吐きながらサキたちの後を追った。

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