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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
進攻
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るだけでもかなり楽だ。
だが、かわりに縦穴から飛竜(ワイヴァーン)が出て来て襲いかかってくる。まあ、相棒の雷の前には無力なのだ後



「っ!? 新種がきたっす!?」

「分かっている。いや待て、あれは……」

突如出現した芋虫型の群れ。そのなかでも殊更巨大の大型の上に紫紺井のフーデッドローブが揺らめいていた。

「……知り合いですか?」

「いやあの人みたいなのについては知らないかな。ただ、あの巨体の芋虫型、あれは二十四階層で会ったことがある」

「……なるほど、あれが……」

いつかの、リヴェリアさんが話してくれたモンスターなのだろう。そして、あの人みたいなのは俺は知っている。

あのレヴィスとかいう(アマ)の仲間だったはずだ。

四肢にはブーツとメタルローブ。振り落とされずにモンスターの上にたつ不気味な存在。

「……行くぞっ!!」

はぁっ!! と手綱を振るい、戦車を走らせる。向かうのは、やつらの正面!!

「式! このまま行くつもりかい!?」

「心配ご無用! 策はあります!!」

後ろでサポーターくんたちが震えるなか、戦車は迷わずに突っ走る。

『殺レ』

次の瞬間、芋虫型達が勢いよく開口し、腐食液を放出した

「式!!」

「分かってます! 相棒、飛翔し(かけ)ろ!!」

俺の声に答え、雷が轟き、車体が浮く。
その光景は初見の奴等にとっては驚愕の一言だろう。

「……飛んでる……のかい?」

通路の高い天井、そのすれすれまで高度をあげ、芋虫型たちの上を駆けてゆく。


神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)

第四次聖杯戦争において、ライダーであるイスカンダルの宝具。
その地形にもっとも適した形となり、空さえま駆けるまさにライダーにふさわしい対軍宝具。

『ナニッ!?』

「フハハハハハハ!!! 腐食液も、ここまでは届くまい!!」

「……流石【秘剣(トランプ)】。【バルドル・ファミリア】の切り札。非常識だね」

「誉め言葉として受け取っておきます」

あの巨大芋虫をけしかけようとしている怪しいのを無視して、俺達はそのまま突き進んでいく。
視界から芋虫型がいなくなったところで車体を接地させた。
追いかけようとしても、この戦車に追い付けるはずがない。

「フィンさん! このままいきますよ!」

「ああ! 今はガレス達との合流を優先する。急いでくれ」

「あいよぉ!!」

手綱を振るえば、答えるようにして相棒達が雄叫びをあげ走る。

蹂躙制覇に敵はない。

五十八階層へ到達したのは、それからすぐのことであった。






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