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歌集「春雪花」
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 時雨月

  落とすは涙か

    枯れ葉散る

 君 居ぬ秋ぞ

    夢のまにまに



 十月に入ったと思えば、また雨が降ってきた…。
 時雨月という別名があるが、今日の雨はまるで…涙を落としているように感じてしまう…。

 あぁ…この雨で、枯葉も落ちることだろう…。
 そんな寂しく思う彼の居ない秋…。

 いっそのこと…夢だと思って成り行きに任せるしかない…。

 私には…どうすることも出来ないのだから…。



 陰りなき

  秋の陽射しに

   偲ぶれば

 想い届けよ

     天の白雲



 秋晴の良い日和…。青空から柔らかな陽射しが差している…。

 こんな陽射しの中にあると、いろいろなことを思い出すが…やはり、最後には彼への想いへと行き着いてしまう…。

 愚かであると解ってはいるが…空を流れる白い雲よ、どうか私を憐れだと思い、この想いを彼へと届けてほしい…。




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