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アーチャー”が”憑依
十四話
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木」ふぇ?」

「佐々木」

「ど、どうしたの……かな? あ、あはは」

自分の名前を呼ぶネギに何か不穏なものを感じたのか、まき絵は自分も知らないうちに腰が引けじわじわと後ずさっている。隣にいるアキラも同様だ。

「二人とも、ロビーに行って正座。今すぐだ」

「え、えぇー。折角勝ったのに」

「大河内、連れて行け」

「わ、分かった」

一応の反論をしたまき絵とは違い、アキラはネギに逆らうつもりは無い様だ。素早くまき絵の体を確保し、軽々と持ち上げてロビーへと運び始める。離してーと言いながら運ばれていくまき絵に、ネギは一つ声をかけることにした。

「佐々木。私が生徒とキスをするわけがないだろう」

「そ、そんな〜」

ネギの言葉にがっくりと項垂れたまき絵は、抵抗することなく静かにアキラに運ばれていった。

「さて、とりあえずは参加者を把握した方が無難だな」

楓や古菲、今回はアキラやまき絵に誰が参加しているのかをネギは聞き忘れていた。とりあえず、こんなイベントを止めなかった者達を叱ることを視野にいれつつ、ネギは再度生徒達の部屋へと向かうのだった。



「お前達はそこまで私の胃に穴を開けたいのか?」

現在、ロビーでは3-Aの大半の生徒が正座をして縮こまっていた。勿論、真名や刹那もだ。生徒の部屋へ向かった当初、ネギは参加してない生徒達へは軽く叱る程度ですまそうと思っていた。だが、どこからか持ちこんだモニタを通してイベントを観覧し、かけまでしているのを見てさすがのネギも真剣に怒った。その結果がこれである。先ほどからしずな先生が生徒達を気の毒そうに見ているがネギはやめるつもりはなかった。

「今から残りの生徒を捕まえてくる。ただし、私が見ていないからといってその場から一歩でも動いてみろ。その場合は夜通し正座だ。他の先生方が止めようと決して止めんからな」

実際にそんなことをすれば翌日に寝不足が原因で交通事故などを起こす危険があるためしないのだが、生徒達はネギの目からこれは本気だと感じ取り黙って首を縦に振った。

「さて、行くか」



「うわー、これはヤバいよ」

旅館のとある女子トイレでイベントの実況をしていた朝倉は非常に焦っていた。確かに、ラブラブキッスなんて内容にしたのは失敗だったかもしれないが、まさかネギがここまで怒るとは思わなかったのだ。

「どうしよう。早く逃げないと……」

早く撤収せねばと思う朝倉だったがここは女子トイレ。男であるネギではとても入ってこれない場所だ。要するに、ここにこのままいた方が安全? と思ったわけだ。隠れていれば隠れている程ネギの怒りのゲージが上がっていくためその考え自体が間違いなのだが。

「そうと決まればしばらくここに……ん?
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