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愛し君を
想い見上げし
中秋の
隠れし月に
愚痴を零しつ
彼のことを想い空を見れば､雲に覆われて折角の月を見ることが出来なかった…｡
満月は彼の笑顔を思い出させてくれると言うのに…どうして隠れてしまうのか…｡
そんな無月対して溜め息混じりに､そっと…愚痴を溢した…｡
小夜更けて
顔を出したる
十五夜の
月影淡く
遠き山陰
真夜中を過ぎた頃､十五夜の月がやっと姿を見せた｡
それでも…月は薄く雲掛かっており､その淡い光りでは山陰をはっきりと浮かび上がらせることは出来なかった…｡
山陰はとても遠く離れているように感じ､それがさも…君との距離であるように思えて…とても寂しくなってしまった…｡
君のいるところでは…この中秋の名月は美しく見えているのだろうか…｡
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