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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
対峙
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った、黄色一色で構成された細身の体がよろめく。

いや、よろめいたのではない。

熱波のせいで陽炎が揺らめいているが、少女の眼にははっきりと見えた。

毒々しい黄のギリースーツ。その深く下ろされたフードの首部分に、奇妙な《軋み》があった。

まるで、フェイバルのアバター表面に、同じ形で透明なガラスでも張り付けてあるかのような。そしてそれが割れているような、そんな軋み。

それは瞬きするほどの一瞬で消えてしまったけれど、仮にも六王の一員である彼女が見逃す道理はなかった。

だが、それに対して言及する時間は与えられない。

フェイバルはもうユウキのことなど眼中にないかのように、己の左側――――先刻衝撃が飛んできたほうにマスクの前面を向けていた。

いけないとは分かっていても、どうしても少女は首を巡らせてしまう。

そして――――



足音があった。



そう感じた頃には、ユウキの身体は圧倒的な力で押され、宙を舞っていた。

別に、誰かが投げ出したのではない。《両者》が激突した余波の、その一端だけで軽々と薙ぎ払われたのだ。放られたアバターは、数十メートルもノーバウンドで吹き飛ばされ、ビルの壁面のガラスをブチ破り、そのさらに中にあるコンクリート製の柱にめり込むように激突して止まる。

身体中が軋むとともに込み上げてくる痛覚に逆らわずにいると、醜い呻き声が漏れた。

「……ぐ…………ぅッ!」

痛みに掠れる目線を上げると、今度は声が聞こえる。

否、絶叫。

それは――――その声は、ユウキが心の端っこで求めていたもの。

しかし、この場では最も聞きたくなかったもの。

少女は嘆く。

自らの非力さに。

床を叩く腕がじくじくと痛んだ。










自らの本来の得物を手にしたレンは、《冥王》と呼ばれた頃の迫力を余さず全身に漲らせていた。

しかしそれでも、本体であるフェイバルの心意を帯びて操られている《死体》の相手は尋常なことではなかった。事実、今の今まで彼はずっとあの《死体》と硬直状態の戦況だったのだから。

それが突如、相手の動きがあからさまに鈍化し、首を捻りながらも首を刈り飛ばしながら、その横を駆け抜けたのだ。

今ならその理由が分かる。

本体であるフェイバルがユウキと交戦を始めたことによって、末端であるところにまでコントロールが覚束なくなったのだ。

このことから、ヤツの心意が無限でも無敵でもないことが窺える。

そもそも、なぜ最初レンがいた地点では、コンタクトに三十分もかけたのか。恐らく、フェイバルの方でも正確なレンの位置まで把握していなかったのではなかろうか。

そのため、最初のサテライト・スキャンで自分
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