暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第189話 死神は再び笑う
[1/10]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


 バレット・オブ・バレッツ(BoB)本大会の開始から、既に30分以上が経過している。

 シノンは、常に冷静に、感情を凍らせる。ただ、それだけを考え、立ち振る舞いを続けていた。

 その結果、これまでの戦績での狙撃は2発2中、2人を退場させた。だが、全体で何人生き残っているかは15分事の監視衛星が送信してくるデータを見ないと判らない。早く監視衛星が見たい自分が、何処かにはいたんだ。

 最初の監視衛星の位置情報を見た時に確認したプレイヤー情報が勿論リュウキだった。そして次いでキリト。(勿論、悪態をつきつつ)

 それは最初の大体の位置を把握するだけであり、速攻で撃ち込みに行こう等とは考えてはなかった周囲の状況を考え、その時間帯での最善を尽くす。それが勝利への鉄則だ。だから、決して無理しない範囲で、あの2人に出会い……そして、倒す。それだけだった。

 そしてもう1つ確認出来たのがその目標の1人、リュウキの周囲には複数のプレイヤー情報が集中していると言う事。500m以内の位置に7人が集中している。乱戦になるのは間違いないだろう、とシノンは思い、そして……『絶対に殺られるんじゃないわよ』と、この時呟いていた。

 本戦に出場するメンバーはその殆どがGGOの歴戦の猛者達だから、少なからず心配もしていた。即ち自分以外の弾丸で倒れてしまうと言う事。約束を果たせずに果ててしまうと言う事だ。

 だけど、その心配は杞憂だった。……いや、杞憂どころの騒ぎじゃない。

『……はは』

 2度目の衛星。それを確認した時、シノンは思わず苦笑いをしてしまった。再びプレイヤーの位置情報を示す光点が、グレーになるのは死亡した証だ。リュウキの周囲にいたプレイヤーは、その殆どがグレーとなり、死んでいた。残ったのは2つの点。……それも先ほどよりも、リュウキから離れている。状況を考えたら、恐らく逃げの一手をしたのだろう、と思える。正直、歴戦の猛者達と言っていいBoBトッププレイヤー達複数を纏めて始末されたことに、複雑な思いも持ち合わせていたが、リュウキと言う人物を知った今は、その手の感情はない。……片方の男と違って、彼は剣ではなく銃を使っているから、と言う点が大きいだろう。

「そう来なくちゃ、ね……。負けてらんないわ」
 
 シノンはそう言いながらへカートを握り締める。

 そして、左手首のクロノグラフで時刻を確認しつつ、先ほどの高精細な地図に示される情報を頭に叩き込んだのを思い出した。ここから、もっとも近いのが、北東600m程離れた位置を西に向かって移動している《ダイン》、そしてそのダインを追随しているのが《ペイルライダー》。そして800m南で静止するのが《獅子王リッチー》

 この中で情報が全くないのがペイルライダーのみだ。

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ