暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第189話 死神は再び笑う
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手に気づかれた事を考え、照準器を使わずに腰だめ撃ちで軽機関銃を撃ち放つが。

『遅い』
『……は!?』

 それは、目の前からまるで消えたかの様だった。あっと言う間に側面を取られてしまった。……そのプレイヤーの運命は先ほど倒された連中と同じだった。

 リュウキは、周囲のプレイヤー達を倒す事が出来たのだった。……時折不穏な気配を感じながら。



「……この、戦い方は」

 あの無数の弾幕を掻い潜り、反撃、撃退していた時にも時折思い出していたのだ。その記憶の奥底にいる扉の中の記憶、あの世界での戦いを。

 無数の敵、モンスターに囲まれた状況。それも意図して仕組まれた物、即ちMPKと呼ばれるPK手段の1つ。基本的にはAGI型のプレイヤーがモンスターを引き連れて走り、そして他人にそのタゲを擦り付ける。《トレイン》と呼ばれるMPKの手法が常套手段だ。

 だが、あの男は違う。

 巧妙に計算しつくし、多少なりとも、アルゴリズムにイレギュラー性が現れてきたモンスター達の行動のパターンを全て見る。無数のモンスターの全てを把握しているかの様に、その行為こそは最悪。本当に死ぬあの世界では悪夢の手段だ。だが、それでもその手際は鮮やかとも言える。ロジックを積み重ねた手法。それを安易に生み出す事が出来るのだから。


『……死神はいつも君を見ている。この世界でいる限り、君達を見ている』


 闇から闇へと忍び寄り、背後を取り、そしてその首を刈る。笑みを見せながら、命を摘み取る。

 あの世界で最も恐れられた部類に位置する殺人鬼。

 笑う棺桶(ラフィン・コフィン)の幹部の一角。

 いや、PoHに次いで、畏れられている存在だ。故に、かの男は 実質No.2とも言われていた。

「……ラフコフの中で、来ているとすれば、アイツの可能性が、出てきたな。さっきのマント男か」

 リュウキは、そう直感的に感じた。

 それは先ほどの無数のプレイヤー達が戦っている場面に遭遇した。その合間を縫って、攻撃を繰り返してきた。まるで、幽霊の様に連続して死角からの攻撃。他のプレイヤー達の攻撃の中に紛らわせてはいたが、確かに感じた。攻撃手段こそ、違うがこの独特な殺気は、どうしても覚えがある。

 あの戦いを経験している自分だからこそ、だ。

 あの戦争の時、確かにアイツの殺気を感じた。……眼を使用した訳でもなく、ただ直感的に、デジタルの世界だと言うのに感じた。多分、キリトや他の皆も同じだろう。それ程の狂気を身に内包している男。

 そして、何よりもあの男には因縁があった。

「………」

 リュウキは、拳を握り締める。あの世界を、思い出しながら。










〜追憶のアインクラッ
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