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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第6章 アルレスハイム星域会戦 後篇 〜真実〜
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たのか?そして、私の兄はどこに行ったのか?
自分の未熟さにただただ、ぶつける当てのない空虚感を抱くだけであった。

そして、宇宙歴792年3月1日 われわれはハイネセンへ凱旋帰国したのであった。
また、私は第2級殊勲章、ハイネセン記念勲功勲章、アルレスハイム星域会戦従軍章を受勲し「コーゼル少将捕獲作戦」にかかわった約200名の将兵に個人感状が贈られた。
しかし、私はそんなものよりもこの手で実感したい人がいた。ニコールである。
帰国した瞬間にその場で勲章授与式だったのでニコールにはすぐに会えなかったが
勲章授与式が終わった瞬間にニコールを探した。
しばらくするとニコールを見つけた!
ニコールのほうが一瞬早かったようだ。人ごみをかき分けてニコールに接近する。
「エーリッヒ!」
と言って、いきなりニコールは抱きついてきた。
そのまま30分くらいニコールは抱きついて離れなかった。
その間ずーと泣きながらニコールは話していた。
私は
「さ、いい加減泣き止まないと美人が台無しだぞ。
ニコール。」
ニコールは
「だって、いつもいつも心配で…」
そんな調子で泣き止んだニコールと一緒に私はその場を離れた。
おそらく半年後までは第4艦隊に出撃命令はくだらないと思っていたし、今回のアルレスハイム迎撃艦隊の第2,4,7艦隊には1か月の休養が命令されていた。1か月休めば消耗した兵力の補充と通常訓練も考えたら半年は余裕と思ったゆえのことであった。
その時は。
そう、そんな静寂はたったの3か月しか続かなかったのだった。
それでも、この出撃後の休養1か月はニコールとの時間を大切にしていた。
宇宙歴792年 3月1日 あまりにも短い暖かい春が始まった。
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