暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第50話 預かる命、解放の時まで
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 ユーリは、夜のラジールの街を歩いていた。

 街中には、所々戦闘の爪痕は有るものの、比較的素早く迅速に制圧出来たらしく、血腥い光景にはなっていなかった様だ。

「はぁ……、しかしまぁ 相も変わらず あいつは面倒くさいな。……確かに、変に反故にしたら、マリアの言うようにヘソを曲げられかねない。マリアは約束をした、とも言っていたから、突っぱねるのも、筋違いと言った所だろうし、……それに、多分アイツの事だから、マリアだけじゃないだろうしな……」

 ランスの指名。ぱっと 思い浮かぶのは、志津香、マリア、ラン、ミリ、トマト、真知子、今日子、香澄……、この場にはいないが、チサ。と言うかカスタムの少女なら 全員とか言いそうだ。例外としてロゼは指名するとは思えないが。後 ミリも疑わしい。

「今は酷だろ、絶対。……まぁ 違う可能性もあるし」

 ユーリは、万が一と言う事もあると、ランスが泊まっているであろう宿へと向かっていった。

「あ、ユーリさん。お疲れ様です」
「ああ、かなみ。お疲れ様。本当によく頑張ったな」
「いえ、ユーリさん程では……」

 かなみは、照れている様で、頭を掻いていた。彼女は、志津香との共闘然り、その後の戦いにも尽力を尽くしてくれた。間違いなく町の解放立役者の1人だ。

「……それにまだ大切な仕事が残ってます」
「だな。……だが、今日は勝てたんだ。今は ゆっくりと休んでおけ。明日からもっと大変だぞ? ……ローラを まず探さないとな」
「あはは。そうですね。ローラさんの誤解も解かないと……」
「そうだな。一筋縄ではいかないと思うが、あの娘も。……さて、と オレは もうひと仕事してくる」
「あれ? ユーリさんはどちらに行かれるんですか?」

 かなみはユーリにそう聞いた。
 まだ、する事があっただろうか? とかなみは 思った様だ。そして、手伝えるなら自分もと。

「ああ。……ん、1人の大きな子供の世話だ。後々で、駄々こねられたら面倒くさいし、立役者という意味では、アイツも間違いなくその1人だ。リーザス軍を解放してくれたのも アイツだしな」
「あー……」

 かなみは納得したようだ。
 そもそも、この手の話はついさっき皆と話したときに話題に上がっていたのだ。

「……事情は判りましたが……どうするんですか?」
「ああ。大丈夫だ。ちゃんと 手は考えているよ」
「……私も手伝える事は……?」

 かなみは、表情を曇らせた。
 ランスが何を求めているのか、大体は判る。……そして、自分は絶対に嫌だ。だけど、ユーリの役には立ちたいって同じくらい思っているのだ。

――……だからこそ、その為なら……。

 かなみは、この時 不自然に拳に力を入れていた。そんな時だ。

「…
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