暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第160話 黄承彦がやってくる 後編
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
いでいた。
 だが正宗に呼ばれているので陣幕から去る訳にもいかず、おずおずと正宗に近づいていき拱手した。

「正宗様、お呼びとのことなので参りました」
「秋佳、紗耶夏の夫と息子が容体を確認する実検の役目を与える。仔細は伊斗香に聞いてくれ」
「畏まりました」

 秋佳は紗耶夏のことを一瞬見た。

「秋佳、紗耶夏は私の家臣となった。しかし、家臣となったからといって手心をかけることなきようにな」

 正宗は神妙な表情で秋佳を見た。秋佳は正宗の言葉に驚いた表情に変わるが直ぐに平静さを装っていた。
 紗耶夏は動揺した様子の秋佳を凝視していた。彼女の視線は秋佳の顔に集中していた。彼女は秋佳が蔡瑁に鼻を削がれたことを人伝に聞き及んでいたのかもしれない。

「伊斗香と秋佳。改めて申し付ける。実検の役目を任せる。騎兵三百を預ける」
「仮にですが。もし、黄承彦殿の発言に偽りがあった場合はいかがいたしましょうか?」
「考えるだけ無駄だ。ありえない話を論じるなど時間の無駄でしかない」

 正宗は紗耶夏を凝視したまま、それ以上何も言わなかった。伊斗香は正宗に対して拱手し、秋佳に目配せをし陣幕を去っていった。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ