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『曹徳の奮闘記』改訂版
第七十三話
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軍の奴等は面白い奴等ばかりじゃな」

 先の戦闘で負傷して頭に包帯を巻いた黄蓋が目の前の珍事に笑った。




 袁術が孫呉を下した事は直ぐに諸国に伝わった。





「袁術が孫策を下した………袁術は良い部下に恵まれているのか、それかたまたまなのか………」

 玉座で、私はそう呟いて曹徳………王双を思い浮かべる。

「荊州の劉備は蜀へ向かって漢中の張魯を討とうとしています」

 桂花が私に報告する。

「頭がお花畑な劉備はそう思っているけど、肝心の天の御遣いと軍師達は違うでしょうね」

「と言いますと?」

 秋蘭が聞いてくる。

「天の御遣い達の狙いは蜀よ。蜀は自然の防衛線によって張魯の侵略を防いでいる。だから蜀が欲しいのよ」

「成る程………」

「ところで秋蘭。涼州への侵攻の準備は整っているのかしら?」

「………申し訳ありません。まだ武将の編成が終わっておりません」

 私の言葉に秋蘭は申し訳なさそうな表情をする。

「構わないわ秋蘭。原因は私にもあるのだからね」

 武将の編成が終わっていない理由は郭淮、張コウ、司馬懿が抜けたからだ。

 私が興味からの好奇心から郭淮とヤろうとしたら夫の張コウがキレて、郭淮を私から奪い返して軍を脱走した。

 司馬懿も私から逃れたかったみたいで郭淮達と同行した………というのが経緯よ。

 何でもかんでも手を出すのは控えた方が良いと思ったわ。

「秋蘭の予定では何時に編成が完了するのかしら?」

「は、予定では後一月かと………」

「分かったわ。涼州への侵攻は一月後にするわ」

 私はそう決断した。

 ………待ってなさい曹徳………いえ王双。








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