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serial experiments S. A. C
イドの昇華 -Sablimatin of Id- Collective unconscious
エピローグ
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はスクラップ行きよ」
「流石にそれは大袈裟なんじゃねえのか?」

はあ、と一息溜息をつくと草薙は説明をし始める。

「いい?人工頭脳のlainの最も恐れるべき点は、その存在が電脳空間だけで完結してしまっているところよ。通常、機械であればハードを破壊すればソフトも自動的に破壊される。でも人工頭脳のlainはハードがそもそも存在しない。だから破壊できない。その上、元のモデルである人間のlainと同じかそれ以上の技術を使うことが出来る。デコイを付けたって防壁を付けたって無駄でしょうね。」

改めて説明されるとわかる、その存在の恐ろしさ。
手も足も出ないという事がどういう事なのかがはっきり認識できる。

「確かに恐ろしいですねそれは……」
「敵対するとアウトだな。どうやって被害を最小にするか、それだけを考えて行動しなきゃいけねえ相手って事か」

ネットワークという繋がりがデメリットしかもたらさない、珍しい相手。
そんな相手とどう接触するか。
今回の正攻法はホールドアップだった。
敵対する意志はない、敵対する手段も持たない、ただその意思を伝える。

「とまあ、lainの心変わりで解決をしたから当分の間は大丈夫でしょ。彼女の周りに手を出す馬鹿がいない限りは、ね」
「……彼女?電脳空間の姿は確かに彼女だったが……」
「あら、言ってなかったかしら?」



「彼女はとある中学校の女子学生よ。小学校を卒業したばかりのね」





ふと、空を見上げる。
地中化がまだ行われていない地域であるためか、空には黒い電線が幾つも並んでいる。
電線はネットワークを繋ぐ神経。
パルスが伝わる先には受け取る者が当然いた。

「ふふっ……素子さん、楽しそうだね……」
「何何?美里、何か言った?」
「あ、ううん。今度のパフェ屋さんの新作、美味しそうなんだよ」
「えー!ホント!美里っていつも新作の情報早いからさー!」
「本当に早いよね。甘いもの好きなのは皆一緒ってことかなー?」
「じゃあ今度の日曜日とかどう?新作食べてからゲームセンターに遊びに行こうよ!」
「何食べようかなー。新作もいいけどまだあたし、季節限定のヤツも食べてないんだよね」
「皆で4種類頼んで、分け合って食べようよ。そしたら皆食べれるよ?」
「いいねそれ!」
「玲音の案がいいと思うな」
「うんうん!今度の日曜日が楽しみー!」


同一の存在が同一の存在でなくなる時。
そこにゴーストが存在するのではないかという意見がある。
ゴーストを証明する事はまだ出来ていない。
しかし曖昧ながらもゴーストの存在に必要なものを伝えた者がいた。
それは、草薙素子。
公式には存在しないとされる公安9課、通称攻殻機動隊のリーダー的存在である。
ゴース
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