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ソードアート・オンライン 〜黒の剣士と神速の剣士〜
SAO:アインクラッド
第16話 激怒
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のか?その手を離せと、言ったんだ」
再度カゲヤから殺気が放たれる。
その殺気に気圧されエヴァンスは反射的にサキを離した。
空気の振動は止み、拡散していた殺気は無くなった。
だが、それでもラフコフ達は動けなかった。
カゲヤの纏う殺気に全員が気圧されていた。
カゲヤの周りに漂う濃厚な殺気に。
「貴様らみたいなクズに生きる資格はない」
次の瞬間にはカゲヤの姿が消えラフコフ達の後ろに現れる。
その直後、パリイィィイン、という音と共にラフコフの1人がポリゴンの欠片となって散っていった。
「死の恐怖に怯えるながら消えろ」
そしてまたカゲヤの姿が消える。
悲鳴と共に次々とポリゴンの破裂音が広場に響き渡る。
1人、2人とエヴァンスの周りにいたラフコフ達が消えていく。
エヴァンスは訳が分からず周りを見渡しながらオロオロとすることしか出来なかった。
そして数秒後には周りのラフコフ達は消えエヴァンス1人が残った。
中央に残ったエヴァンスにカゲヤはゆっくりと近付いて行く。
「ちょっと、待ちなよカゲヤ君。落ち着きなって」
エヴァンスは後退しながら説得するように言う。
しかしカゲヤはスピードを緩めることなく徐々に近づく。
「話せばわかるって。脅されてたんだよ。しょうがないだろ?」
エヴァンスは有りもしないこと次々と言うがカゲヤは耳を貸さずエヴァンスを追う。
とうとう壁まで追い詰められるとエヴァンスは必死に許しを請うように叫んだ。
「私が悪かった!許してくれ!まだ死にたくないんだ!なぁ頼むよ!カゲヤ君!」
「絶望を味わいながら死ね」
風を斬る音と共にエヴァンスがポリゴンの欠片となって爆散した。
「そうすることで、少しはサキの痛みがわかる筈だ」
カゲヤは呟きながら踵を返し通路の方へ向かう。
通路の方から2つの足音が近づいてきているのにカゲヤは気付いていた。
「大丈夫か?カゲヤ」
通路から来たのはキリトとアスナだった。
キリトはカゲヤのいる広場に向かっている途中に幾つものポリゴンの破裂音を聞いて心配になったのだ。
アスナはカゲヤの近くにいたサキに気付き駆け寄って肩を貸す。
だが、カゲヤが答える前に背後の壁から声が響いた。
「wow……予想以上に速いんだな、《神速の剣士》は」
その声と共に壁から2つの影が出てきた。
「PoHか」
カゲヤは振り返りながら言う。
「だけじゃ、ないぞ」
PoHの横にいる赤目のザザが付け加える。
「ラフコフの幹……!?」
不意にキリトの声が止まり倒れ、カゲヤ以外の3人が倒れた。
直後別の方向から声が聞こえた。
「スリー、ダウーン!」
その場に似合わない明るい声が響く。
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