度重なるトラブル
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で泳いで上がってきた。
「サラ…しっかりして!」
あたしは混乱状態で、ぐったりしているサラに声を掛ける事しか出来なかった。
「ミレーヌ何してる!タオルでも何でもいいからくるむ物持って来い!」
ずぶ濡れ状態のロビンが叫び、我に返ったあたしは急いで荷物からタオルを出した。
「ロビン、これを…!」
タオルを渡すとロビンは素早くサラに巻きつけた。
「サラちゃん、声が聞こえるか?意識はあるか!?」
「姉さん…ロビン…さん…あたし…。」
「良かった、意識はあるな。」
ロビンは意識が朦朧としているサラを抱え立ち上がった。
「ミレーヌ、早く帰って暖かくさせないと!」
あたしとロビンは急いで自宅へ向かった。
自宅に到着すると、パパが驚いた顔で声を掛けた。
「どうした!?一体何があったんだ!?どうしてニールの息子までいる!?」
「トムさん、話してる時間はありません、早くサラちゃんを暖めないと!」
切羽詰った状況でずぶ濡れのまま叫ぶロビンを、パパは動揺しながらも家に入れてくれた。
「ロビンさん、ありがとうございました。」
暖炉で暖まり、体力を取り戻したサラは毛布に包まりながらロビンに声を掛けた。
「用が済んだら早く出て行ってくれ!一応礼は言っておく…。」
パパは不機嫌ながらも、サラを助けたロビンに目を合わせずに伝えた。
「当たり前の事をしただけですから。それじゃ、帰ります。」
「えっ!ロビンだってまだ服が濡れたままじゃない!」
パパが睨む中、構わずあたしが止めようとしたけど。
「そんなの家でやれるから平気だ。トムさん、失礼します。」
ロビンは足早に出て行った。
「パパ、いくらなんでもあの態度はひどいわ!サラを助けてくれたのよ!?」
「うるさい!ニール家の輩とは関わるなと言っているのに、きっかけを作ったお前たちも悪いぞ!あの息子がデーヴィスにこの事を伝えたら、また何て文句を言われるか分かったモンじゃない!」
「ロビンはそんな意地の悪い事はしないわよ!」
「ミレーヌ、お前はあの男を庇うのか!?家とあの男とどっちが大事なんだ!」
「今はそういう話をしているワケじゃないでしょう!?パパの方が意地っ張りよ!」
「何だと!?親に向かって何だその言い方は!」
「パパも姉さんも落ち着いて!溺れたあたしが悪かったの!姉さんもロビンさんも悪くないわ。パパ、心配かけてごめんなさい。もう無茶な事はしないわ。」
サラが間に入って謝ったおかげで、パパはなんとか機嫌を直した。
「サラ、余計な事をさせてごめんね。」
「いいのよ、ロビンさんの事、姉さんがフォローしてあげてね。」
小声で話しかけると、サラからそんな事を言われてしまった。
家を出たロビンを追って確認すると、やっぱりくしゃみをしてた。
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