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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ソードアート・オンライン】編
102 はじめてのボス戦 その1
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1本まで減らされると、持っていた(バックラー)と武器を捨て、曲刀(タルワール)に持ち換えると云うのが前情報だった。……しかし、今のボスが持っているのはカタナ≠ナある。

「カタナ=Aね」

「ティーチ君、悪いことは言わない。カタナ≠フスキルに対応出来るβテスターに替わるんだ」

「……そうも言ってられないみたいだぜ──っと!」

ティーチはディアベルの諫言(かんげん)を聞きながら、文字通り[猪突猛進]な勢いで突っ込んできた《イルファング・ザ・コボルド・ロード》の──野太刀での一撃をパリィ≠キる。

「危ない、ティーチく──」

ボスの刀から放たれる燐光──カタナ≠フソードスキルにディアベルが叫ぼうとするが、すぐに荒げていた声を潜める。……ティーチがカタナ≠フソードスキルを──知らないはずのソードスキル≠華麗にソードスキルで相殺していたからだった。

「ディアベル、タゲ取りはティーチに任せよう。俺達は、今俺達にしか出来ない事をしよう」

「そうですよ、センチネル≠セってまだまだ再湧出(リポップ)≠オますし」

「キリト君、リーファちゃん…」

「アスナ、ボク達はティーチ君がタゲ取りしてるうちにダメージを稼ごう」

「うん、お姉ちゃん」

物言いたげなディアベルをよそに、ユーノとアスナはボスへ駆け出し、ユーノとアスナの鋭さのある剣撃がボスへと殺到する。1つ2つと続く剣撃は着実にボスのHPバーを削り──やがてレッドゾーンまで追い遣る。

「スキ…有りぃっ!」

間隙を衝き、ソードスキルと筋力値──ティーチは無意識だがSTRENGTH(ストレングス)≠ノモノを云わせて《イルファング・ザ・コボルド・ロード》のフロアボス≠フ名に恥じぬ巨体を、上空へとかち上げる。

「転落地点でソードスキルをぶちかませぇぇっ!」

ティーチはかち上げた──空中で迎撃のためにソードスキルを発動させようとしている《イルファング・ザ・コボルド・ロード》の攻撃をソードスキルを相殺し、そのままその巨体を地上へ打ち落とす。

ティーチからして仰向けに落ちてゆく《イルファング・ザ・コボルド・ロード》。……もちろんティーチも落下している。ボスのHPは残り数ドットで、ティーチは落下エネルギーを槍に籠めながら、落下している体制のまま、ボスの心の臓を貫いた。

ティーチがボスの胸を貫いたと同時に、《イルファング・ザ・コボルド・ロード》はそのHPバーを散らしたのだった。

SIDE END
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