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機動戦士ガンダムMSV-エクリチュールの囁き-
47話
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、素早く全艦了解の報せが反射する。厳つい声の砲雷長のカウントの声の怒声が一息に緊張感を叩き上げる。
「―――5、4、3、2、1、カウント0。メガ粒子砲、発射!」
 砲雷長の最後の言葉がまさに合図だった。ロンバルディア級の主砲2門を含む大出力のメガ粒子の光軸が屹立し、それに追従するように一斉に灼熱のメガ粒子が漆黒を切り裂く。MSの携行火器とは比較にもならない光の濁流は密集する宇宙ゴミを飲み込み、その先にあるであろう迎撃システムを跡形もなく消し去っていく。続いて発射された飛翔体は閃光の尾を引きながらデブリの中へと飛び込んでいき、時限式信管がその物理的持続の到達を理解すると同時に破滅的な鬼灯の華を咲かせた。
                       ※
(スネークヘッド出撃せよ。繰り返す、スネークヘッド出撃せよ)
 メガ粒子発射のカウントが0となったのを把握したガスパールは、ローカルで無線を開いた。
(オール・スネークヘッド、傾注(アテンション)!)
 副官が声を張り上げる。多目的ディスプレイに無線通信が立ち上がり、D型の《ジェガン》で構成される第11大隊『スネークヘッド』の面々がずらりと並ぶ。
「いいか、強敵とは言いがたい敵だが油断はするな。敵には一年戦争を潜り抜けてきたベテランもいる筈だ―――《ジェガン》が性能で勝るとは言え、驕れば死につながると心せよ! 第11大隊、スネークヘッド出撃する!」
 全員の威勢のいい了解の声に身体を震わせたガスパールは、己が愛機たる《スターク・ジェガン》をカタパルトに接続した。カタパルトのハッチは既に解放され、正面には黒々とした闇がのっぺりと横たわり、その先で爆光が閃く―――。
「スネーク01、《スターク・ジェガン》出撃する!」
 スロットルを一気に全開に、フットペダルを勢いよく踏み込む。ぐっと屈みこんだ新鋭の勇士が鋭い視線を投げ、背に眩い閃光を爆発させる。リニアカタパルトの駆動と共に射出された《スターク・ジェガン》は、己が戦友たちが続いくのをセンサーで確認すると、一直線に進路を進める。
 作戦目標はそこまで困難でもない。本丸の攻略はECOSがこなす―――MS部隊の任務はその露払いだ。
「大隊各機、兵器使用自由! 無法者どもにこの地球圏の支配者が誰なのかを教えてやれ!」
 デブリが無数に漂う戦域に突入するや、ガスパールは即座にセンサーが捉えた敵影を認識した。
 MSを優に上回る巨大な岩塊に磯巾着のようにへばりつくそれ―――先端にミサイルコンテナを装備した迎撃システムを捕捉した。システムそのものは旧式のものでMSよりも巨大だが、それでもセンサーの有効範囲は《スターク・ジェガン》のそれを上回る。ガスパールが察知するよりも早く機影を認識に入れた迎撃システムは、唯一且つ最も強力な火器である対MS用のミサイ
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