暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第165話 現実世界と仮想世界
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2025年 12月1日 月曜日。


〜JR上野駅前〜


 結城玲奈は支度を済ませ、家を出た。

 丁度学校も終わり、一旦其々の家に帰り着替えてから待ち合わせの場所へと向かう。今日は休日じゃないけれど、学校の方では色々と行事があり、早めの下校だったから、時間は沢山余っているんだ。それに こんなやり取りがずっと憧れだった。

――……好きな人と待ち合わせる。

 待っている間も、楽しい。彼を思い浮かべて待っていれば、待つ時間なんて苦じゃない。その為だけに、指定した時刻よりも30分位早くに到着するようにしているんだ。

――……だって、その彼は遅刻は殆どしないから。

 有るとするならば、仕事関連で止む終えずと言う事。それらを除いたら、殆どと言っていい程無い。
あ、以前ちょこっとだけ遅れた事あったけれど それは指定した時間内には着いたから遅刻とは言わないだろう。

「ん……」

 不意に駅前、JR上野駅前の花壇を眺めた。色とりどりの花達。その時、玲奈の脳裏にはかの世界、あのSAOの世界での47層のフラワーガーデンと呼ばれている層を思い浮かべた。あの層に比べたら、流石に少ないけれど、丁度並び方、配置が似た感じで同じ色彩だった。

――……もう直ぐ一年なんだ。

 それを見て玲奈はふと、そう思ったその一年と言うのは、あの世界 浮遊城から妖精の監獄を経て現実世界へと言う意味。あのALOに囚われていたのは、姉の明日奈だけど 姉が囚われていた時間は自分の時間も凍ったままだった、と言っても姉の後で同じように囚われたけど。それに、大好きな彼も本当の意味では戻ってきてなかったから。姉が解放されて、彼が戻ってきてくれて、そこから現実が始まった。

 だけど、自分がこうして現実を生きていることが不思議に感じられる。

 この目の前に咲き誇る花々の香り。駅前の広い歩道に整然と敷き詰められた石材。
 12月の冷たい風に揺られる並木の梢。そして、平日。週の始まりである今日でも沢山行き交う人たち。目の中に大量に入ってくる情報。
 それらは、全てあの世界の様なデジタルコードではないだろう。本物の植物、鉱物、そして生物だ。

 彼の眼であってしても、視る事は叶わない。でも、実際に《本物》と言うのはどういう事、だろうか?

 この目に映し出される光景だって、網膜を介して、脳が現実だと認識して、映像化されているものだ。その点では、あの世界も相違ない。アミュスフィアから発生される電気信号を脳が認識しているのだから。そして、仮想世界のモノ、ポリゴンとこの現実世界のモノだって根本的には同じだと思える。現実で言えば、原子や分子の集合体。仮想世界で言えば、メモリ素子に留まる電子。ただ、素粒子の種類が違うだけであり、本質的には同じだと
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