暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第162話 終わらない冒険
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と皆が疑問に思っていたが、その答えは直ぐきた。

 現れたのは、巨大な影。そして、その答えは今回の目的を完全に達成させてくれるものだった。
















〜トゥーレ島 近海〜





 もう 日も沈みかけ、その夕日の光はこの妖精の世界を黄金色で染めていた。

 そんな夕日の下、海の上には、巨大な海洋生物が泳いでいた。そして、キリト達はその背中に乗っており、この美しい夕日を眺めていた。


 そう、この巨大海洋生物こそ、今回の本当の目的であるクジラである。


「クジラさんっ! すっごく、すっごく大きいですっ!」
「きゅるる〜〜!!」

 ユイも、クジラの上に乗りたいと言う夢が叶い、本当に嬉しそうに笑っていた。その姿を見た皆は、其々が頷きあった。

 本来の目的は、あのタコとリヴァイアサン達の話より、あの卵の事より、……何より ユイの夢を叶えてあげる事が重要だったから。

「よかったな」

 リュウキは、ユイの姿を見ながら微笑んだ。そんなリュウキの腕を、レイナはそっと絡み取る。

「ほんとにね……」

 いつもなら、皆の居る前で〜と躊躇してもおかしくない場面だけれど、こんな綺麗な夕日の下だから、雰囲気でしてしまったと言うのが大きいだろう。幸いな事に、皆この夕日を見上げているから気づいてなかった。

「……さて、次は彼処、か?」

 リュウキは、キリトの傍に立って指をさした。その先にあるものは、空に浮かぶあの浮遊城。この世界でいれば、何処からでもその姿を見れる程の巨大な城。

『あの城を制覇する』

 それは、ここにいる皆との約束だから。

「ああ、そうだな」

 キリトも頷いた。
 自然と皆の視線があの夕日の中に浮かぶアインクラッドを見据えている。そう、皆と一緒なら何処までも行ける。



――さぁ、まだ冒険は始まったばかり。行こう……、何処までも。



 燃える様な夕日の下で、今回の冒険の幕はおりたのだった。
 







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