暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第1章 光をもとめて
第10話 並木の間を歩きながら
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、そこを開ける手段を探している。開かないのだ』
『まぁ! そんなばしょが……!! はつみみですわー。そのさきも、ばんばんしらべてくださいねー!』

 明らかに声色が、おかしいのだが、ランスは気にする素振りはみせなかった。意気揚々と笑っていたのだ。まだ開けられる手段を探しきっていないと言うのに。

 そして、更には勢いもあって、王女に性欲を向けてしまうランス。性欲、と言うより獣欲である。普通であれば、即刻逮捕〜〜になってしまいかねないのだが、笑って許すリア。それどころか、『考えてあげる♪』との事だった。
 
 そを訊いたランスは更に気分をよくした様だ。ランスの中では、《考えてあげる=OK》だと考えていたから。

『ところで、ランスさん。もうひと方、ユーリさんは一緒ではないのですか?』

 マリスがランスにお茶を差し出しながら、そう訊いた。

『おお、このお茶、うまいな……。む? ああ、あの下僕か。オレ様の為に、色々と買いに行かせているのだ。ま、あまり遅く、グウダラしていたので、さっさと解決に向かったのだ』
『……そうですか』

 マリスは、意味深に頷く。

『がははは。今日はそろそろ帰るぞ。それじゃなー!』
『ええ、お疲れ様』

 ランスはそのまま、部屋から出ていった。それを見送ったリアは、呆れ+驚愕が篭った表情で。

『ちょ、ちょっとちょっと……、あんな入口、簡単に開くのに、何してるの? あの男……』
『一緒にいたあの男がいれば、変わってくると思いますが、今、行動を共にしていない以上、あの性格ですし、力尽くで、となりそうです』
『……まぁ、そうは思うけど、何時合流するか判らないし、それに仕掛けの事もあるから、待ってられないわ。 《あのコ》を使いましょ』

 リアは、そう言うと軽く二度、手を叩いた。

『……お呼びですか? リア様』
 
 リアが手を叩き終えるとほぼ同時に、天井裏から、音もなく女忍者が姿を現した。

『屋敷に先回りして、あそこの開ける方法を紙にでも書いておいてきて、判りやすい場所によ』

 リアの指示に、やや戸惑いを隠せられない様子だった。だが、主君の言う事だ。背くなど、する訳も無く 確認を取った。

『……それは、あの男が、一度見た筈のところに置いておくんですか?』
『でなきゃ見落とすかもしれないでよ? さ、早く行ってきて。……ああ、後鍵も適当にね?』

 そう指示を出すリア。単純明快な男であれば、疑いもしないだろう。

『……判りました』

 忍者はゆっくりと頷き、そして 向かおうとしたところで、マリスが声をかけた。

『わかっていると思いますが、もう1人の男には、注意を怠らない事です。万が一も、捕まらない様にしなさい』
『はっ! ……マリス様も、
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