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オズのカエルマン
第八幕その一

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                        第八幕  迷路の森
 ネイティブの集落を越えてです、一行はさらにです。
 先に先にと進んでいきます、その中で。
 恵梨香は紫の草原の中にいてしみじみとして言うのでした。
「紫の草も奇麗ですね」
「うん、とてもね」
 カエルマンが恵梨香のその言葉に応えます。
「奇麗だね」
「はい、とても鮮やかな紫で」
「オズの国の紫の中でもね」
「草や葉の紫は奇麗ですね」
「他の国のそれぞれの色もそうだけれどね」
 マンチキンの青、ウィンキーの黄色、カドリングの赤もです。そしてもっと言えばエメラルドの都の緑もです。
「ギリキンのね」
「紫もですね」
「そう、奇麗なんだよ」
「この通りですね」
「そうなんだよ」 
 カエルマンはその紫の草原の上に黄色い服でいます、そのうえで恵梨香に楽しくお話をしています。彼もまたその紫を見て楽しみながら。
「宝石、アメジストみたいな」
「とても奇麗な紫で」
「見ていて飽きないよ」
 カエルマンはスキップさえしそうな位うきうきしています。
「僕も」
「カエルマンさんもですね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「この草原だけじゃないからね」
「奇麗な紫が見られるのは」
「森もそうだし」
「これまでの森もそうでしたね」
「そう、そしてね」
「これから行く場所も」
「奇麗な紫があるよ」
 そうだというのです。
「それも楽しみにしておいてね」
「わかりました」
「さて、もうね」
 見ればお日様が傾いてきています、カエルマンはそのお日様も見てそのうえで五人にこう言ったのでした。
「少ししたら」
「日が落ちますね」
「夕刻になれば」
 その時はというのです。
「またテントを出して」
「そして、ですね」
「休もう」
 その時にというのです。
「そうしよう」
「わかりました」
 ジョージがカエルマンの言葉に頷きました。
「今日もですね」
「ゆっくりと休もうね。それと」
「それとっていいますと」
「休む場所はいつも通りね」
「湖か川の傍ですね」
「そこにしよう」
 是非にというのです。
「そうしよう」
「その湖か川で」
「そう、身体も奇麗にしないとね」
 カエルマンはこのことも忘れていませんでした。
「駄目だからね」
「冒険の間も清潔ね」
「出来る限り毎日身体を洗わないと」
「よくありませんよね」
「身体を奇麗にすることは清潔になるだけじゃないんだ」
 カエルマンはその身体を奇麗にする時のことを楽しみにしながらジョージにお話していきます。そのよさを。
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