暁 〜小説投稿サイト〜
藤崎京之介怪異譚
case.5 「夕陽に還る記憶」
] 3.11 PM4:43〜epilogue〜
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
けっ放しと言うわけにもいきませんし、奏夜にでも貸しますよ。あいつ今もアパートですから、水道光熱費さえ払えば、後は私の口座引き落としで賄えますからね。」
「家賃くらい取ってやれ。お前、弟だからって甘やかしちゃいかんよ?奏夜も作曲で生計を立ててるんだからな。」
「まぁ、話してみますよ。」
 そう話している間に、外へタクシーが来たようだったので、叔父は玄関の扉を開いた。
「見送りはここまでで良い。それじゃ、またな。」
「はい。叔父様、道中お気を付けて。」
 俺がそう言うと、叔父は笑いながら帽子を上げて返事をしたのだった。
「さて…今年は忙しくなりそうだな…。」
 やらなきゃならないことが山程ある。今回、事件に浸っている暇は無さそうだ。
 そう言えば…事件の後、栗山家を訪ねたら、栗山の両親は娘が完全に発作を起こさなくなったことに大層喜んでいた。ま、一人娘だからな…。
 本当は小切手を謝礼として渡されたが、それは大学へ寄付するように頼んだ。俺がもう少し早く解決出来ていたら、南校舎があんなことにならずにすんだ筈だ…。きっと天宮氏も寄付してくれるだろうし、補修は田邊んところが受け持つ筈だしな。
「何にしても…今日はもう休みだ。」
 俺は一人そう言いながら、リビングへと入ったのだった。

 外は快晴。夕陽がリビングへと射し込み、その紅の中に深い陰を落としていた。
 でも、それはどことなく温かく、なんだか懐かしく思えた。きっと…それは彼女達の記憶が、この陽射しへと昇華したんじゃないかと思う。
 無論、そんなことは有り得ないが、俺はそう思い、そう感じた…ただ、それだけだ…。



      case.5 end




[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ