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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
受難‐サクリファイス‐part2/ネクサスVSゼットン
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「シュウも、あなたが言うような人じゃない。
シュウと同じ…私や、この子達のために自らを危険に晒してきた、私の家族。むしろ汚れているのは…混じり物(ハーフ)である私の方よ」
「テファ…!」
「私は姉さんを信じています。だから、今すぐ私たちの前から消えてください!私たちに危害を加えるくらいなら、二度と私たちの前に顔を見せないで!」
テファは内気で大人しい少女とは思えない気迫を出し、メンヌヴィルに向かって怒鳴りつけた。マチルダは、驚いている反面妹の成長に、どこか喜びを覚えていた。彼女は、自分を拒絶する気など最初からなかったのだ。
ふう…と、一方でメンヌヴィルはため息を漏らしていた。
「…やれやれ、フラれてしまったか。まあいいさ。だが…いつまでその余裕が保てるんだ?」
そう言った時、激しい轟音と悲鳴が轟いた。
ちょうどその時、ゼットンがネクサスから吸収した光線を自分のものとして跳ね返した時だった。
「グウウアアアアアア!!!」
「!」
声にならない悲鳴だった。ネクサスの光線が逆に跳ね返され、彼が決定的なダメージを受けたときの光景を見て、テファは思わず口を押える。
(あいつが手も足もでていないなんて…)
最初に変身を見たときの戦いは圧倒的、ムカデンダーの時はまだ幾分マシな戦いな戦いが出来ていたと言うのに、こうも圧倒されているとは。マチルダはネクサスと戦う怪獣に対して戦慄を覚えた。
「おやおや、どうした?さっきの強がりはどこへ消えたんだ…?どうする?今なら間に合うんだが…?」
メンヌヴィルが再び歪みきった笑みを浮かべてマチルダとテファに向けて手招きする。
現実を思い知らされた。まずこの状況を切り抜けるには、シュウが…ネクサスがゼットンを倒すことが必須だが、その彼が敗北に追い込まれようとしているのでは…。
「シュウ…お願い!!立って!!」
切に願いながらネクサスに向けて叫ぶものの、ネクサスはもう、限界に達しようとしていた。


ネクサスには、光線を受けている間、まるでスローモーションのように世界の時間がゆっくり進んでいるように感じた。
ボロ雑巾のごとくネクサスは背中を打ち付ける形で落下した。
「ウゥ!…グ…ォォ…」
ピコン、ピコン、ピコン…
エネルギーと体力の限界が近づき、ネクサスのコアゲージが点滅を開始し始めた。
立つこともままならない。体がまるで自分のものではないように、ピクリとも動けない。ゼットンが近づいている。こちらに止めを刺すために、
やばい…意識が…遠のく。
気が付けば、ネクサスは縋るように手を伸ばしていた。ただ霞んでいく目の前の視界に向けて…。
走馬灯のように、記憶が流れ込む。地球にいた頃、何より大切だった…あの少女の笑顔が見えた。
救えなかった…自分のせいで消えてしまった少女の姿…


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