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黒魔術師松本沙耶香  人形篇
13部分:第十三章
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で散歩に出ておりました」
「そうだったのですか」
「それはそうとお食事中だったのですね」
「はい。宜しければ松本さんも如何ですか?」
「朝は食欲がないと言いたいところですが」
 だがそうではなかった。少し歩くとどうにも腹が空いた。
「こちらもお腹が空いています。宜しければ御一緒して宜しいですか」
「はい、どうぞ」
 絵里はそれに応えて向かいの席を勧めた。沙耶香はそれに従い座ると彼女からパンを受け取った。
「学校のものですので。御安心を」
「当直員の為のものですね」
「そうです。いつも用意されているものです」
「牛乳もですか」
「そうです。学校のものなので質素ですが」
「そうですかね」
 だが沙耶香はそれには懐疑的であった。それはパンと牛乳を見てから述べたものである。
 見たところこのパンと牛乳はかなりいいものである。やはりお嬢様学校だけはある。朝のささやかな食事も立派なものだと思った。だがそれは口には出さない。それは黙ったままパンと牛乳を口にした。


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