暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第1章 光をもとめて
第4話 明日がなかった盗賊団
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。……性技でランスを上回る。性欲でランスを上回る。女版ランス、と言った所、だろうか。

(……色んな意味ですごい)

 ユーリはそう思うと再び酒を片手に持ち口に運んだ。
 そして、腰を下ろしたランスに視線を向けた。

「さてさて、ネカイねーちゃんの事は兎も角、がははは!!」

 ランスは突然上機嫌になっていた。どうやら、ネカイの1件以外にも何かが合ったようだ。

「ん? どうかしたのか?」
「がははは、オレ様はもう既に通行書を入手したのだー!」

 ばんっ! と机の上に叩きつける様にみせるランス。確かにそれは通行書だ。

「お、本物じゃねぇか。それって、結構入手するのが難しいモノだぞ。平和なリーザスとは言っても、城内に入るのには厳正な審査がいるからな」
「オレ様を誰だと想っているのだ。空前絶後の超英雄だぞ? がはははは!」

 本当に上機嫌になるランス。パルプテンクスは、そんなランスに酒をお酌。ほろ酔いも合わさって、更に大騒ぎだ。

「……何だか悪いな。騒がしくなってしまって」

 ユーリは、ランスを見ながら苦笑いをしつつ、そう言っていた。暴れる、とまではいかないが、一般的な喧騒漂う酒場の倍以上は五月蝿い、と経験上判るから。

「いえ、良いんですよ。その……私が攫われている間、お父さんがすごく心配していてくれた見たいで……、ずっと休業予定にしちゃって。お客さんが……」
「あーー、成る程、それは確かに」

 ユーリは苦笑いをしつつ、納得をしていた。
 確かに、このオヤジは ずっと負のオーラを出していた。それも他人に見える様に具現化して。
 そんなのを見せられたら、客足も遠くなる、と言う所だ。と思っていたのだが、どうやら、仕事が手につかないらしく、休業をしていた様だ。それも何日か予定している様だった。

「なら、頑張らないと、な?」
「あっ……はいっ!!」

 パルプテンクスは、本当に輝いている様な笑顔を見せてくれた。

 確かに、この事件は小さな事件なのかもしれない。リーザス王国の深淵へと通じる事件に比べたら、本当に。

 ……が、それでも。

「……良いモノ、だな」

 ユーリはそう思いながら、酒を口に運んでいた。
 

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