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真・恋姫無双〜中華に響く熱き歌
第14話 嫉妬
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思ったのが、聴いたことがない、それが思いついた。
だからなのか、この男の歌を聴いていると心が昂ぶるのを感じる。
もっと、もっと聴いていたいと思ってしまう。
だが、それだけではある村で起こったという問題は解決できないだろう。
心の中の冷静な部分がそう告げる。
そう考えていると、
「詠ちゃん、すごいでしょ、バサラさんの歌。この歌が村に迷惑をかけた人の心に響かせたんだよ。そして、その人に歌わせちゃったんだよ。」
「歌わせた?村に悪さするようなやつを?」
「うん。しかも、村の人や私にも歌ったんだよ。村の人なんか役人、いや私達じゃ話も聞いてくれなくて、諦めてたのに、バサラさんの歌を聴いて、バサラさんなら、なんとかできるって思ってバサラさんにお願いしたんだよ。」
「私達じゃなくて、あの男に?でも、歌を聴いただけでしょ?」
「うん。だけど、バサラさんって、歌も上手だけど、それ以上に自分の歌の力を信じてるし、歌にかける思いもすごい伝わるの。だから、お願いしたんだと思う。それを見て、バサラさんはすごいなって思ったんだけど、同時に少し悲しくなっちゃった。」
「そう・・・」
月の話を聞いて、この男の歌について合点がいった。
だが、私達には出来なかったことをこの男は、歌で解決したという。
しかも、誰も傷つけずに、あまつさえ問題を起こしていたやつに歌わせてみせた。
この長い中華の歴史でも、そんなこと聞いたことが無い。
それをこの目の前の男は成し遂げたという。
そして、そんな男のことを私の1番大事な親友が笑顔で誇らしげに語る。
そう思うと私はこの目の前の男のことを否定せずにはいられなかった。


「もういいわ。」
バサラの歌が最高潮に達した時、賈?がそう告げる。
「こんな歌、これ以上聴いても時間の無駄だわ。」
そう言って部屋を出ようとする賈?。
「おい、待てよ!まだおれの歌は終わっちゃいねえぞ!ちゃんと聴いていけ!」
バサラは賈?を止めようとする。
だが、それを聞かず賈?は部屋を出る。
それを呆然としながら見ていた3人。
「たく、なんだってんだ・・・」
頭の後ろを掻きながらそう呟くバサラであった。


その頃、廊下を歩く賈?
「あんなやつ、あんなやつの歌、認めないわよ・・・」
そう呟きながら自分の執務室に向かう賈?であった。


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