暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第123話 妖精の世界
[1/11]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


 この世界は……仮想世界 《アルヴヘイム・オンライン(ALO)》。


 そこは妖精の国。

 その空には様々な妖精たちが舞っており……。美しい夜空をバックに空を自由に踊る様に羽根を広げている。手を伸ばせば、いや 羽根を広げれば自分自身も、その空へと舞い上がる事が出来る。


―――ああ……早くあの空に還りたい。


 夜空に瞬く星々を眺めながら……そう思っているんだけれど。

「ああーー待ってよぉ〜〜リーファちゃ〜ん……!」

 ……このとても綺麗で、幻想的な空なのに……広い広い何処までも飛んでいけそうな空の下なのに……、その雰囲気を壊してしまう様な情けない言葉がこの美しい空に響いてきた。

「はぁ……」

 それは、一気に夢から現実に戻された気分だった。
 後ろを見てみると、鈍臭そうな男の子が1人、ひょろひょろひょろ〜っと今にも落下しそうな勢いで、飛んで?いる。

「……ったくもー、さっさと慣れなさいよ。だから空中戦でいっつもやられちゃうのよ?今日だって大分やられちゃってるみたいだし」

 指を立てて、さっそくの説教をする金髪の少女。
 傍から見ると、出来の悪い後輩と言うより、出来の悪い弟を世話する姉の様な感じだ。

「それにここは中立地帯。何があるかわからないんだから」
「だ……だってぇぇ……」

 どうやら、レコンはこんな醜態を他のメンバーに見られたくないようだった。変な所では強い自尊心(プライド)が一人前にあるみたいだ。

「ったく……ん?」

 リーファはふいに東の方を見る。

 ここは、シルフのテリトリーに近いとは言え、中立の領域 《古森》。

 誰が来てもおかしくないけど、最大限に注視しながら警戒していた。でも一瞬……ほんの一瞬感じた気配。その先、森の木々に隠れていた赤い影が見えた。

「ッッ!! レコンっ!!」

 何かを感じたリーファは、まるで怒鳴り声の様な声を上げた。

「わっ!!! わわぁっ!!」

 レコンはその声に驚いてしまったのか、バランスを崩し落下していた。

「トレーサーよ! 早くっ! 直ぐに追っ手が来るわ!」

 リーファがそう叫んだ。

 《トレーサー》正式名称は≪トレーシング・サーチャー≫

 高位魔法に分類されるもの。
 それは、探索用の魔法だ。種族によって形は様々だが、それぞれの色で大体判る。赤く光るあのトレーサーは、間違いなくサラマンダーのモノだ。

 リーファはすかさず両手を掲げスペル詠唱を開始する。
 その長めの詠唱ワードを唱え終えるとリーファの両手の指先からエメラルド色の光る無数の針が発射された。

 その赤い影。
 正体はコウモリの様なものだった。

 巧みにかわしてい
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ