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ドリトル先生と森の狼達
第六幕その十二

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「日本に来られてから体重も脂肪率も減っていますよ」
「そうなのかな」
「摂取するカロリーは減っていてしかも栄養バランスがいいですから」
「日本のお料理は」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「先生イギリスにおられる時よりも健康的ですよ」
「そういえば色々身体にいいもの食べてるね」
「それにイギリスにおられた頃はずっと病院におられて時々冒険に行かれる以外は」
「あまりお家から出ていなかったね」
 その病院からです。
「診察に来る人もいなくて」
「けれど今は」
 今現在の日本での先生はといいますと。
「お家から大学まで毎日通っておられますし」
「大学の中でもっていうんだね」
「歩かれることが多いですね」
「講堂とかまでね」
「運動量も増えていますし」
「それでなんだ」
「イギリスにおられる時より痩せられましたよ」
 そして脂肪率も減ったというのです。
「かなり」
「そうなんだ、自分でも自覚していなかったよ」
「もう太ってはいましても」
 それでもというのです。
「肥満ってまではいかなくて」
「普通に太っている位だね」
「健康に問題が出る位じゃないです」
 それが今の先生だというのです。
「安心して下さい」
「だといいけれどね」
「僕もそう思うよ、肥満には気をつけてね」
 狼君も先生に言うのでした。
「さもないと皆が心配するし」
「僕自身にとってもだね」
「そう、身体が悪くなっていいことはないよ」
「困るのは僕だね」
「だから本当に気をつけてね」
「そうした方がいいね」
「そこは私達が注意してるのよ」
 お家の中の家政婦さんダブダブの言葉です。
「そしてトミーもね」
「それはいいことだね、どうも先生は噂だと」
 狼君が今度言う噂はといいますと。
「世の中のことには凄い疎いらしいから」
「そうなんだよね、先生って」
 王子は狼君の言葉にくすりと笑って応えます。
「学問は何でも出来るけれど世の中のことにはね」
「疎いんだね」
「もう全然駄目なんだ」
 それこそというのです。
「そうしたことは」
「やっぱりそうなんだね」
「だから皆が一緒にいるんだ」
「目を放しておけない」
「それでだよ、そして先生と一緒にいると凄く楽しくて落ち着けるから」
「余計にいいんだね」
「そうなんだ」
 こうお話するのでした。
「皆先生が大好きなんだよ」
「確かに。僕も初対面だけれど」
 狼君も言いました。
「先生好きだよ」
「僕を好きになってくれて嬉しいよ」
「じゃあその先生にね」
「これからだね」
「お話させてもらうね」
 こうしてでした、狼君は先生にそうしたことをどんどんお話するのでした。これがまさに世紀の出会いでした。
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