暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第120話 朱い空の下で
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く、この世界は……。

 ここは、《現実世界》なのだと理解できた。

「い……か……ないと………」

 理解したと同時に、辛うじて、取り戻す事ができた左腕の感覚、そして脚……。全く言う事を聞かなかった体に活を入れるが如く傍にある点滴に掴みかかり立ち上がろうとしていた。無数に刺されていた注入針を引き抜き……。
 点滴の支柱に捕まり、杖代わりに立ち上がった。だが、気を抜けばすぐに膝が崩れ落ちそうになる。
だから、思わず苦笑してしまう。あの世界では、超人的な動き、筋力パラメータを持っていたものが今じゃ見る影も無いのだ。

「あ……す……な……。」

 声に出たのは愛している少女の名。彼女の姿……美しい容姿、瞼を瞑れば鮮明に思い出せる。ここが何処なのか理解するよりも遥かに早く。

「み、……んな……と、……やく……そくを……」

 声を出すのも億劫だったが、漸く声帯にも僅かながら力が戻ってきたようだ。

 少年の名は 《桐ヶ谷 和人》。

 あの世界の終末をこの目で見た数少ない4人のプレイヤーの1人。

 そして、最後のあの瞬間の約束を果たすまで。そして、愛する女性をこの腕に抱きしめるまで。自分の戦いは終わらない。

 4人で誓い合ったあの事を胸に……。

 あの世界では相棒であり、愛剣であった二刀の剣に代わり点滴の支柱を握り締め、それに体を預けて桐ヶ谷 和人はドアに向かって最初の一歩を踏み出した。






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