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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第118話 愛してくれて ありがとう
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るのか!」

 感情をむき出しに……二刀の剣を取り出す。

《エリュシデータ》《ダークリパルサー》その2つの剣を構えた。


「……麻痺が解けるのはまだ、少し先だが。仕様がない。キリト君と戦うのに10分は短すぎるだろう」

 ヒースクリフは、再び操作をした。どうやら、麻痺効果時間を伸ばしたようだ。そしてキリトの方を向いて、歩み寄った。

「キリト……くんっ、だめ……だめだよっ……!」

 アスナは、キリトを必死に止めようと声を……可能な限り上げた。目の前で大切な人が消えた。
 ……死んでしまった。それは、アスナにとっても……。辛い悲しい事だった。心が引き裂かれてしまう感じがした。
 ……それは、口に、言葉ではあらわせれない。

 友達が、いや家族が目の前で死んでしまったのだから。

 そして、それ以上に……妹も心配だった。
 自分にしてみれば……キリトを失う事それと同様の悲しみが……彼女を襲っている。……自分の立場だったら。

 《自殺》を絶対に考えるから。

 それは、キリトにも言った言葉だった。
 
 キリトは、この戦いの前に……『参加せずに待っていてくれないか?』とアスナに言っていた。だけど、アスナは拒否をした。

 ……自分だけ安全な場所で隠れているなんてできないと。

 そして、もしキリトが死んでしまえば、『自殺する』と言ったのだ。

 ……自分の愛する人が死んでしまったら?もう、生きている意味なんかないって思える。それ程愛しているんだから。きっと、レイナだってそんな気持ちだったんだと思う。

 レイナは、あの瞬間から……身動きをとっていない。体は……震えている、それはわかるのだが、呼びかけても……反応が全く無い。そんな時、キリトが立ち上がった。
 彼もまた、この麻痺作用を凌駕したのだ。
 
 でも、相手は、リュウキですら、敵わなかった男。

 強大な能力(スキル)を有する悪魔……、この世界を総べる魔王だ。

 単独で挑むのは……もう、それこそ自殺行為だと思えたから。

「だ、だめっ……、ここは、一度引いてっ、お願い……!」

 アスナは、懇願するように、そう言うが、
 キリトは全く周りが見えていない、聞こえていない様だった。そして、その目は狂気で満ちているかの様だ。

 いや、暴走しているとも取れるだろう。

 そんな状態で、向かっていったら?
 どうなってしまうのか……火を見るより明らかだって思ったんだ。

「いくぞ……! ぶっ殺してやる!!!」

 狂気に満ちたキリトの表情。それを見たヒースクリフは、ため息を一つし、剣を構えた。



 ここに……再び《キリトvsヒースクリフ》の戦いが始まったのだった。



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