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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第113話 猫耳の呪い?
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レイナの不満。
それは、彼女の日課とも言える空白の10分間、リュウキの寝顔を斜め横から眺める事。
……最近では、なぜかリュウキの方が早く目を覚ましており、出来なくなってしまったのだ。当初は、起床設定を変えたのかな?と想ったが、別にそうはしてない様であり、自分の設定も間違いは無かった。一日くらいはあっても不思議じゃないか、と思ったレイナは また明日があるさ!と言う事で特に気にしてなかったんだけど、その後はこの日課が尽く遂行出来なくなってしまったのだ。
……不満だったけれど、その不満を吹き飛ばしてくれる様な事もある。
自分が目を覚ますと愛する人が笑顔で迎えてくれてるのだから。これ以上の朝の至福はないと、レイナは少しばかりヤミつきになってしまったのだ。
そして、今に至る。
「どうした? レイナ」
「ん?? んーん、何でもないよっ」
少し、考え事をしていた所で、リュウキに気づかれた様で、慌てて手を振る。そして、ポットとマグカップを呼び出し、モーニングタイムを開始したのだ。
「アスティアの葉のハーブティ……やっぱり美味しいね?」
「そうだな。これはオレもずっと愛用しているから」
リュウキは、色合いを楽しみながらそう答えた。この世界での飲料物は、見た目と味が一致していない物がとにかく多い。……ゲーム仕様だから仕方ないとも思えるが、現実において、殆ど紫色の飲みもの?など、誰が手を付けようものか。だが、そう言うものに限って、不思議と美味しかったりする。
レイナやアスナが作っている調味料も、その部類だ。『これなんだ?』と思ってしまう第一印象で、口の中に入れて、味覚情報を確かめた後に判明する。視覚情報と味覚情報は一致しにくいかな?と思えるのだが、《アスティアの葉》で作ったハーブティは、違う。
色合いも、現実のハーブティとなんら遜色なく、それを楽しむことだって出来る。そして、何よりレイナは、このハーブティが大好きなのだ。
「ふふ、リュウキ君が教えてくれたもんね?この美味しさをさ?」
「ん。……そうだったか?」
「もー! 忘れちゃったの?リュウキ君っ」
リュウキの回答にレイナは軽く頬を膨らませた。レイナは思い返す。
……まるで、昨日のことの様に鮮明に覚えている。後悔、自責の念に溺れていた自分に。この世界を偽りの世界だと思って、食事だって取っても取らなくても同じだと思っていた自分に、美味しいと感じさせてくれて、落ち着かせてくれたんだ。レイナにとって、このハーブティは忘れられない味の1つになっているのだから。
「ん……。ああ、思い出したよ。あの時だったな。オレが勧めたんだった」
リュウキは、少し考えて……思い出せた様で、ニコリと笑った。
「うんっ! 大変良く思い出せました
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