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黒魔術師松本沙耶香  紅雪篇
9部分:第九章
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にいいわ」
 先程の佐智子の言葉を自分でも口にしてくる。
「しかも紅の雪の中でなんて。けれどね」
「けれど?」
「彼氏とだけなんて薄情ね」
 沙耶香は言う。
「私ともしましょう。幸い部屋の中には誰も入っては来られないし」
「けれど今は」
「何時するのも同じよ」
 拒むことすら許さなかった。
「そうでしょ?気分が乗らないのならその気にさせてあげるわ」
「その気に・・・・・・」
「ええ」
 妖艶に笑いながら頷く。その笑みのまま上から佐智子の喘ぐ顔を見る。まるで獲物を捕らえたのを確かめるかのように。妖しく笑っていた。
「そろそろじゃないかしら」
 左手で胸を弄りながら声をかける。


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