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黄金バット 第五話フー=マンチュー博士
第六章
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「これからな」
「事前に発見出来てよかったですね」
「いやいや、よくはない」
 警部はこう返しました。
「まだだよ」
「フー博士を逮捕しなければ」
「そう、あの博士をどうにかしないと」
 それこそというのです。
「ことの解決にはならないからな」
「では」
「フー博士はここにいる」
 間違いなく、というのです。
「探し出して捕まえよう」
「それでは」
「ははは、探す必要はない」
 警部も神谷さんも身構えたところで、でした。アジトの中にです。
 男の人の声が響きました、そして。
 警部達の前にです、昔の中国の丈の長いゆったりとした黒い青と緑、それに黄色と白の龍が描かれた上着とです。
 黒いズボンと靴を着た長い口髭を生やした切れ長の鋭い目の老人が出て来ました。背は一七五を超えていて背筋はしっかりしています。
 その人を見てです、警部は言いました。
「フー=マンチュー博士か」
「如何にも」
 老人は警部ににやりと笑って答えました。
「私がフー=マンチュー博士だ」
「なら探す手間が省けた、それならだ」
「私を捕まえるというのか」
「そうだ」
 如何にもというのです。
「覚悟しろ、抵抗するのなら射殺する」
「物騒だな、諸君等は」
「御前の方が物騒じゃないか」
 神谷さんは笑って言うフー博士を指差して言い返しました。
「これまでどんな悪いことをしていたんだ」
「そうだ、今も国会に洗脳ガスを流して日本を自分の思い通りにしようとしているな」
「そのことはその通り、確かに私も物騒な男だ」
 フー博士も笑って自分自身のことを認めはします。
「しかも捕まるつもりもない」
「なら仕方がない」
「そこまでしたくなかったが」
 神谷さんも警部も拳銃を両手に持って構えてフー博士に言いました。
「射殺する」
「全員攻撃用意だ」
 警部は警官の人達に命令しました。
「撃て、発泡を許可する」
「はい、わかりました」
「では」
 警官の人達も頷いてでした、そして。
 攻撃に入ろうとします、ですが、
 フー博士はその警部達にです、少し軽蔑した様に言うのでした。
「銃か、かつては私も軽蔑していたが」
「御前は銃殺や爆殺を嫌っていたな」
「かつてはな」
 そうだったとです、フー博士は警部に答えました。
「そうだった」
「それが西洋のものだからか」
「如何にも。かつて私は西洋文明の破壊を考えていた」
 そして世界征服をです。
「世界征服は捨てていないが最早西洋文明も何もない」
「そうだな、そもそも銃に使う火薬も」
「私の祖国で生み出されたものだ」
 中国で、というのです。
「考えてみれば西洋も東洋もない」
「人間社会だからか」
「その考えがわかった、だから銃もよければだ」
「ガス
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