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ティナラクブラウス
第二章
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「具体的にはどうするの?」
「どうして売上を伸ばすか」
「サービスの向上?それとも宣伝?」
「どっちもするさ、他にもな」
「考えあるのね」
「新しい服を売る」
 強い声でだ、カルロはレギニータに言った。
「そうするんだよ」
「新しい服?」
「ああ、いい服をな」
「どんな服売るの?」
「それはまだ考えていないんだよ」 
 これがカルロの娘への返答だった。
「何を売ろうか」
「まだそこまではなの」
「考えてないんだよ。何がいいだろうな」
「そう言われてもね」
「具体的にいい服あったら教えてくれるか」
「アメリカ軍の服でも売る?
 何となくだ、レギニータは自分達の国であるフィリピンと付き合いの深いこの国の軍服を話に出したのだった。
「迷彩服とかズボンとか」
「映画に出て来るみたいなか」
「そういうの売ってみる?」
「それじゃあサルバンテスの旦那の店がやってるだろ」
 カルロの店の近所にある店だ。
「アメリカ軍の服ならな」
「ああ、あそこがあったわね」
「そうした迷彩服から正規の軍服にブーツまでな」
「ナイフとかも売ってるわね」
「あの旦那ツテがあるからな」
 そのアメリカ軍とだ。
「だからな」
「そうした服はなのね」
「向こうと被る、商売は被ると売上も今一つになる」
「何処のお店でもあるとね」
「買わないものだ、生活用品なら別だがな」
 しかし服はというのだ。
「だからアメちゃんの服は駄目だ」
「そうなのね」
「ああ、他の服な」
「そうね、それじゃあ」
「いい服あるか?」
「私も探してみるわ」
 自分の家の店のことだ、それならレギニータも乗らなければ駄目だからだ。レギニータは習性的にこう決めたのだ。
「そうするわね」
「ああ、頼むな」
「探すから」
「いい服あったら教えてくれ」
 カルロは店に客が入って来ようとしているのを見つつ娘に述べた。
「是非な」
「そうさせてもらうわね」
「そういうことでな、いらっしゃいませ」
 客が入って来たところで挨拶をした、そして彼は商売に入った、
 レギニータは父に約束した通り店で新たに売るべき服を探した、しかしいざ探してみるとこれがどうにもだった。
 これといった服がない、マニラの街を歩き回っても。それで高校のクラスでどうにもといった顔でクラスメイト達に事情を話した。
「そういうことなのよ」
「お店の売上アップの為にね」
「あんたの結婚式のお金と内装、贅沢の為に」
「新しい服を売りたい」
「そういうことね」
「そう、お父さんが言っててね」
 そしてとだ、レギニータはクラスメイト達に言うのだった。今は学校の制服を着ている。
「私も約束した訳よ」
「あんたのことも入ってるしね」
「結婚のことと贅沢のこと」

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