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ラコーン=ナイ
第一章
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                 ラコーン=ナイ
 バンコクのある中学校のあるクラス、二年生の教室でだ。男子生徒達も女子生徒達も喧々諤々でクラスで言い合っていた。
「それで文化祭のうちのクラスの出しものな」
「何をするんだ?」
「体育館の舞台で出しものをすることになったけれどな」
 それでもとだ、お互いに言い合っていた。
「芝居か合唱か」
「それともダンスか」
「具体的に何をするか」
「それが問題なんだけれどな」
「一体何だ?」
「何をするんだ?」
「ちょっとな」
「どうしたらいいんだ」
 こう話すのだった。
「本当にな」
「何をやるか」
「それが問題だけれど」
「どうして何を出すか決まらないんだよ」
「皆が皆適当なこと言って」
「おい、そこちゃんと議論に参加しろよ」
 やる気のなさそうにうずくまっているクラスメイトを注意する声も出て来た。
「クラス全体のことだからな」
「こうした時位喋れ」
「そして議論に参加しろよ」
「議論に参加しても適当なこと言うなよ」
「思いつきは後で大変なことになるからな」
 どの場合でもそうだ、思いつきで言ったことを考えずに決めてしまうと後でどうにもならないことになってしまう。独裁国家がおかしくなるのもそのせいで独裁者の思いつきがそのまま政策になってしまうからだ。日本の体育会系や変に家長が力を持っている家でも同じだ。
「ちゃんと考えて言えよ」
「とにかく何をするかだ」
「一体な」
「クラスの出しものだよ」
「一体何をするんだ?」
「それでな」
 こうしたことをお互いに話す、しかし。
 あれこれと話してもだ、本当にだった。
 クラスの出しものは決まらなかった、ホームルームの時間全てを使ってもだった。議論はまとまらなかった。
 しかしだ、クラスの男子の間で一際大柄なプンミー=チャクライ、ニックネームはピーチャがだ。皆にホームルーム終了間際に言った。
「この時間ずっと考えていたけれどな」
「ああ、何かいいアイディアあるか?」
「あったら言ってくれよ」
「そういえばプンミーずっと考えてたな」
「喋ってはいてもな」
「そうなんだよ、俺ずっとこれがいいかって考えてたのはな」
 こうだプンミーは言うのだった。尚担任の先生は自分の席で温かい笑顔で自分の生徒達を見守っているだけだ。
「ダンスをな」
「ダンスか」
「ダンスを出しものにするか」
「そうするんだな」
「ああ、それをしないか?」
 こう皆に言うのだった。
「これからな、ただな」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「ポップダンスとかだろ他のクラスもやりそうだからな」
 流行りのダンスはだ。
「また違うダンスにしような」
「違うダンスってどんなのだ?」
「どんなダンスにするんだよ
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