第五幕その九
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そしてです、こうも言うのでした。
「それではね」
「はい、それじゃあ」
「無事な旅を祈ろう。それに」
「それに、とは」
「君達は我が国の大切なお客人だ」
このことからも言うのでした。
「何かプレゼントをあげよう」
「それは何かな」
魔法使いが王様に尋ねました。
「プレゼントというと」
「うん、大したものではないけれど」
「これをどうぞ」
ルーン族の人達が出て来てでした。
そしてです、皆に対して干した林檎や杏、レーズンといったものを籠の中に一杯入れて出してきました、それを皆の前に出してです。
王様はにこりと笑ってです、皆に言うのでした。
「おやつにでもね」
「うわ、こんなに沢山ですか」
「頂いていいんですか?」
「干した林檎に杏、それにレーズン」
「一杯ありますね」
「しかもとても美味しそうですね」
「遠慮は無用だ」
王様はにこりと笑って浮かびながらこうも言いました。
「オズの国では遠慮は好まれないからね」
「だからですか」
「これだけの干した果物をですか」
「頂いていいんですか」
「そうしても」
「本当に」
「二度は言わないよ」
これが王様の返事でした。
「ではいいね」
「はい、それじゃあ」
「有り難うございます」
「ふむ」
五人がお礼を言ったところで、でした。
王様は感心してです、カエルマン達に言いました。
「いい子達だね」
「うん、礼儀正しくてね」
「優しそうだし」
「そうだよ、この子達はね」
カエルマンは王様ににこにことしてお話しました。
「とてもいい子達なんだ」
「それは何よりだよ、では」
「まただね」
「来てくれるといいよ」
是非にと言う王様でした。
「何時でもね」
「そうしていいんですか」
「僕達も」
「うん、また言うけれど遠慮は無用だよ」
またこう言うのでした。
「何時でも来てくれ給え」
「わかりました」
「それじゃあ」
「この果物も頂いて」
「また来させてもらいます」
「縁があれば」
「是非ね。ただここから北は」
王様は皆にこうも言いました。
「魔法使いさんやカエルマン君は既に行ったことがあるけれど」
「ルンダ坂だね」
「そう、あれがあるからね」
だからだというのです。
「気をつけてね」
「あそこは険しいからね」
「険しい山と坂が連なっているから」
「わかっているよ」
カエルマンが王様に答えます。
「そのことは」
「うん、それならね」
「あそこも無事越えて行くから」
「では健闘を祈るよ」
「それではね」
こうお互いにお話をしてでした、一行はルーン村を後にすることにしました。そうして干した果物も頂いてです。
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