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元虐められっ子の学園生活
紫って色言葉で成仏って言うらしいよ?
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人の噂も75日と言う言葉がある。
一度噂された事柄も、75日も経てば収まりを迎えることの例えなのだが、それは時と場合によるのではないのかと、訂正の辞を唱えたいところである。
そもそも誰が言い出したのか、噂とは酷く曖昧なものであり、噂の対象となる人物が善であるか、悪であるかによってその度合いが変わってくるのだ。
諸君は伝言ゲームなるものをご存じのはずだ。
噂も同じようなもの…いや、それよりも酷いものである。
伝えられていく伝言が広まるのをそのままに、対象の評価を基準として最初とはまるで違うものへと姿を変容させる。
それはまるで悪意、もっと言えば呪いの如く、さも当然のように広がっていくのだ。
不幸の手紙やチェーンメールも同様である。
過去、依頼としてやって来た件も、葉山と言う防壁があったからこそ、そこまでの大事にはならなかった。もしもその防壁が無かった場合は、最悪な展開を迎えていただろう事が伺えるのだ。
故に、噂を消すなど出来ることではなく、強いて言える解決法は諦めることであると呈示できる。
一度広まってしまった噂を消すことなど、その噂を知ってしまった全ファクターの記憶を消す他ないのである。
雪ノ下が言ったように、これ以上の被害が出ないようにするためには、根本を断絶することは必然と有するのだろう。
しかし我々にそんな時間はあり得ない。
今を生きる者にとって、時間とは大切なものなのだ。

だからこそ言おう。
下らないことに時間を消費する愚かな者達よ、爆散しろ。







雪ノ下達が家に来た日から二日ほどたって、漸く俺は学校へ登校した。
教室に入れば先程まであったはずの喧騒が一瞬で静まり返り、あちこちでこそこそと話し声が聞こえる始末だ。
どうやら学園祭の俺の行動が噂になっているらしく、その殆んどが悪いもので持ちきりのようだった。
俺は席に付くとそのまま机に打つ伏せになり、取り敢えず耳を済ませる。
そして聞こえてくるのは俺への誹謗中傷な言葉の数々。
やれ、もう来たのか。
もっと倒れていればよかったのに。
南かわいそう等々。
正しくあの時の現状を知らない者達が囁く滑降の話題だった。

「鳴滝」

「比企谷か、おはよう」

名前を呼ばれ、顔をあげると最近友人関係となった比企谷八幡が立っていた。
噂される事柄には、勿論比企谷の内容も含まれているはずだ。なのに比企谷は構わずに話をしようとやって来てくれる。この事に微かな暖かみを感じながらも、これからどうしようかと思考に潜り込むことにするのだった。





「さて、どうしようかしらね…」

「うん…」

放課後の部室にて、雪ノ下と由比ヶ浜がそう言う。二人は机に置かれたパソコンの画面を訝しげに見ていた。

「正直、俺が入って
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