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ドリトル先生と森の狼達
第四幕その十

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「そういえばね」
「そう、あの人がよ」
 ポリネシアも猿のところに飛んできてです、猿にお話します。その下から穏やかなお顔で見上げている先生にお顔を向けて。
「ドリトル先生よ」
「そうだね、聞いた通りの外見だね」
 その猿も納得して頷きます。
「目と髪の色も。それに大柄でずんぐりとしていて」
「ずんぐりは余計よ」
「あはは、これは失礼」
「けれどあの人がね」
「うん、先生だよね」
「ええ、そうよ」 
 ポリネシアもその通りだと答えます。
「お話した通りね」
「そうだよね、じゃあこれから先生と」
「お話してくれるかしら」
「うん、わかったよ」
 にこりと笑ってです、お猿さんは答えてでした。
 全部のお猿さん達が先生のところに来てです、こう言いました。
「やあ先生、はじめまして」
「僕達にお話がしたいことがあるって?」
「それって何?」
「何かな」
「うわ、やっぱり素早いね」
 ホワイティはそのすぐに降りてきたお猿さん達を見て少し驚いて言いました。
「チーチーと同じだけね」
「それはね、お猿さんだからね」
「当然だよ」
 オシツオサレツがホワイティに言いました。
「そのことはね」
「すばしっこいのがお猿さんだから」
「そうだね、そのことはね」
 ホワイティも頷いてです、納得した動作を見せました。
 そしてです、老馬は先生に言うのでした。
「じゃあ今からね」
「うん、お猿さんの皆ともね」
「お話しようね」
「それじゃあね」
 先生も応えてでした、そうしてでした。
 先生からです、お猿さん達に尋ねました。
「君達の最近の生活はどうかな」
「ううん、この季節は柿がないから」
「そのことが残念だね」
「秋が待ち遠しいよ」
「やっぱり僕達は柿が大好きだからね」
「一番ね」
 まずは柿がないことをです、嘆くのでした。
「それがないのがね」
「少し残念だけれど」
「他の食べものは一杯あるし」
「だからね」
「困ってないよ」
「今はね」
 そうだというのです。
「お水も奇麗で」
「そっちもいいよね」
「一時森も荒れてたけれど」
「奇麗な状況だから」
「そうなんだね。まあ柿はね」
 柿のことがです、先生もこう言うのでした。
「秋じゃないからね」
「うん、仕方ないね」
「わかってるよ、そのことは」
「それでもあえてね」
「言ったんだ」
 そうだというのです。
「だから別にね」
「気にしないでね」
「そういうものだと思って」
「僕達の戯言めいたことということで」
「わかっているよ、とにかく君達もだね」
 先生はお猿さん達にも穏やかにお話しました。
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