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英雄は誰がために立つ
Life10 防衛戦
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ーンの攻撃を呑み込むように食べた。
 そんな驚天動地の戦闘を続けているせいで、此処一帯はすっかり更地状態だ。
 無慈悲な現実を見せつけられて、一誠は“何か”の上に素知らぬ顔で跨り続けている人物――――ライダーに毒づく。

 「クソッ!何なんだよっ!お前らはッッ!!?」
 「先に告げた。余は――――」
 「んなこと聞いてんじゃねえんだよ!退けよっ!そうじゃないと、部長が、朱乃さんが、小猫ちゃんが、アーシアが、ギャスパーが、グレモリー家の人たちがっっ!!」

 此処から見える情報などたかが知れているが、目の前の敵のヤバさと止まるどころか今も延々と立ち上り続けている煙の多さに、一誠は焦らずにはいられなかった。
 しかし、それを下からタンニーンが窘める。

 「落ち着け、兵藤一誠。グレモリー家本邸には、最強の女王(クイーン)と名高いグレイフィア・ルキフグスやドライグの奴が認めた規格外の人間魔術師もいるのだろう?」
 「そ、それは・・・」
 「それにグレモリー家の執事給仕達も手練れ揃いと聞いている。だから、今は信じてやれ」
 「――――分かった。アリガト、タンニーンのおっさん」

 タンニーンの言葉に少し冷静さを取り戻した一誠と、一誠のお礼の返事にまさか自分が感謝される日が来るとはなとでも思っているのか、タンニーンは思わず苦笑する。

 「話は済んだようだな?」

 その会話に、口も挟まず水も差さなかったライダーに問われたタンニーンは、素っ気なく返す。

 「――――ああ。それで貴様の“何か”(それ)は何だ?」
 「それを貴公ら――――悪魔たちに教えると思うか?」
 「(掴まっていろ、小僧)(いい、やっっ!!)

 言い切ると同時に空へ飛びあがるタンニーン。
 それに続くように、ライダーの意思をくみ取ったのかまでは判別できなかったが、“何か”も続くように4枚の常闇の羽の様なモノを生やして宙へ飛び上がる。

 巨大対巨大の戦闘が、陸から空中に切り替わった瞬間だった。


 −Interlude−


 グレモリー家本邸の城内で避難していたリアス達は、ある重大な事実を忘れていた様で、広間にて慌てていた。

 「私は『王』として失格だわ」

 そしてリアスは頭を垂れていた。

 「そんな事は無いわ、リアス!」
 「そうですぅぅぅ!こんなに混乱してるから仕方ないと思いますぅぅぅ!!」
 「いいえ、こんな時だからこそ『王』の資質が試されているんだと思うモノ・・・!」

 朱乃とギャスパーの慰めも、如何やら焼け石に水の様だ。

 「よりによって、自分のゼノヴィア(下僕の1人)の事を忘れていたなんて・・・・・・!」

 この緊急時に限って、ゼノヴィアが戻ってきていない事につい
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