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英雄は誰がために立つ
Life10 防衛戦
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くそして真剣な目つきで睨んでいた。
 しかしそれは、ヴェネラナ達からすれば正しく自分達のセリフだった。

 「此処までの事をやらかしといて、よく言いますね?」
 「事実だ、人食い共が・・・!」
 「・・・・・・・・・・・・」

 何所まで往っても会話が噛みあわない上に、平行線状態。
 そして、そんな無駄な会話を続けている程、今のヴェネラナとグレイフィアの沸点は決して高くはなかった。

 「茶番は此処までにしましょう。そうね?グレイフィア」
 「はい。それに何やら、組織立っての行動の様な言葉も聞きましたから、拘束しだい拷問にかけて吐かせましょう」
 「そうね。可愛い下部たちを苦しめたのですもの、それぐらいは覚悟は出来ているのでしょう?――――下郎・・・!!」

 2人から発せられるオーラに恐怖し、執事は思わず引き気味になる。
 しかし、殺気を受けている当の侍は余裕そうとまでは往かなくとも、全く臆した様子は見られなかった。

 「ほざけっと言いたいところだが、流石は化け物共の中でも上位に位置する畜生どもだ。流石に私1人では手に余るか」

 侍は、ヴェネラナ達の実力だけは決して軽んじてはいなかった。
 そんな侮辱の言葉を吐く侍に2人も、決して相手を舐めてはいないが、見た処相手の得物は日本刀ただ一本だけだった。
 そんな状態であれば、遠距離と中距離のレンジ攻撃が出来る自分達が有利と踏み、2人揃って侍に魔弾の雨を降らせる。
 それをバク転で難なく躱した侍は、右手に掴んでいた日本刀を水平線上に右横に向けた。

 「この地に顕現せよ!我が友よ!伝説の同胞(温羅討伐隊)!!」
 『?』

 いきなり、誰に言うでもなく叫ぶ侍に、2人揃って怪訝そうになる。
 しかし、変化は直に表れた。
 侍の後ろには、一目でわかるくらいの手練れの侍たちが3人出現した。

 「よくぞ導きに応えてくれた。我が信頼に値する同胞たちよ!」

 ヴェネラナ達を警戒してか、後ろに居る3人の侍に振り向きもせずに労う。

 「何を言いますか、若!」
 「我らは若の手足も同然!」
 「何所までもお供しますぞ!」

 否。ヴェネラナ達への警戒では無く、絶対的信頼への表れだった。
 無論、それなりには警戒もあっただろうが。

 「礼を言う、我が同胞たちよ。――――では征くぞ!今日より、真の太平への世直しの偉大な一歩にして見せようぞ!!」
 「「「はっ!!」」」

 侍はヴェネラナ達に突っ込み、後に現れた部下3人もそれに続いた。

 「奥様!如何か、油断なさらない様・・・!」
 「承知しているわよ?グレイフィア!けれど見せてあげましょう。我らグレモリー家の力と畏怖と絢爛さを!!」
 「はい・・・!」

 最強の『|
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