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真・恋姫無双〜中華に響く熱き歌
第12話 銀の少女
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どよ、どうしたんだ?」
そんな言葉をかけるバサラ。
少女は落ち込んだ顔をしながら
「はい・・・今村の方からお話を伺ったのですが、村で問題が起きているのに、それにまともに取り合おうとしなかったお役人様を残念に思ってしまいまして・・・
村の人がこんなに困っているのに、何もしないなんて情けなくなりまして・・・」
そうバサラに話した。
バサラは
「そうかい。まあ、役人なんてそんなもんだろ。」
と言った。
それを聞いた少女は悔しそうな、悲しそうな、情けなさそうな、そんな複雑な顔をしていた。
そしてバサラは続けて
「だけど、そんな落ち込んでてもしょうがねえだろ。
とりあえず、おれの歌を聴いていけよ。」
と言う。
「へっ?」
少女がそんな返事を返すが、気にせずギターを構える。
「いくぜえ!!突撃ラブハート!!」
そう曲名を宣言しながらギターを弾き、歌いだす。


なんなんだろう、この人は?
私が村の人から聞いたことで落ち込んでいたときにいきなり話しかけて、歌い出して。
この曲の音色、歌に使われている詩、どれも聴いたことがないようなものだ。
私は今并州の刺使をしているが故郷は西涼だ。
だから西域やさらに西の大秦の方の書物などの品がくることもある。
その中には稀に楽器を奏でる人がいた。
だから西域や大秦の曲や歌の音色や歌声を聞くことができた。
だが、この人の奏でる音色や歌声は聴いたことが無い。
だけど、今まで私が聴いてきた歌や曲でこれほど心と体が元気に、いや熱くなる歌なんて聴いたことが無い。
それに、歌に使われている詩もいい。
聴いたことが無い言葉が多く使われているから分からない言葉が多いけど、文脈から大体分かる。
この歌に使われている詩は、相手と心を通じようとしているのだろう。
そして誰かを励まし、諦めないでくれと応援しているのだろう。
そんな自分の思いを相手に直接伝えているのだろう。
分からない言葉が多いから予想するしかないけど、多分こんな感じだろう。
ああ、もうすぐ終わりなのだろう。
歌声にさらに力が入っている。
まだ、まだ聴いていたいのに。

バサラが歌を終え曲も弾き終えて少女の方を見て
「元気、出たみてえだな。」
とうれしそうに言った。
少女は
「はい!おかげさまで元気になりました。ありがとうございます!」
とお礼を言った。
バサラは
「ああ、そうかい。」
と言いながら微笑んでいる。
そして、
「じゃあな。」
と言って村を出ようとしたが、少女に呼び止められる。
「ま、待ってください!何処へ?」
と聞かれ、バサラは
「化け物って呼ばれてるやつにおれの歌を聴かせてくる。」
と答えた。
それに少女は
「ひ、1人でですか?危険過ぎます!せめて何人か連れて行った方が
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