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真・恋姫無双〜中華に響く熱き歌
并州編
第11話 行商人
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い、行商人と話をしていた。
「よお、あんたが陳留を出る行商人かい?」
「そうですが、あなたは?」
「おれは熱気バサラってんだ。北の方に行きたいんだが、一緒にいいかい?」
「ほう、北へ、ですか。わざわざ行きたがるとは珍しいですな。ちなみにどちらへ?」
「とりあえず、并州ってところに行こうと思ってるんだ。いいかい?」
「ふむ、并州までなら一月かニ月はかかるでしょう。あと、旅の間食べ物を我らから買うならばその分の代金を頂きますが、よろしいですかな?」
「ああ、いいぜ。」
「それでは決まりですな。そういえば私の名前を教えておりませんでしたな。我が名は張世平と申します。以後、よろしくお願いいたします。」
「ああ、よろしくな。」
そう言いながらお互いに笑顔で話す。
そして昼過ぎに行商人一行とバサラは北へ向け旅立った。


一月後、并州のある村に入り一晩を明かした後、バサラは行商人一行と別れることにした。
「本当によろしいのですか?并州にはこの村より大きい都市もありますから、そこまで連れていきますよ?」
「いや、ここでいい。路銀も尽きたしな。」
「そう、ですか。お金のことなど関係無しにあなたと旅をしたかったのですが、仕方ありませんね。」
「ああ、ここからは歩いて行くよ。」
「バサラ殿、最後に二つお願いがございます。どうか聞いて頂けませんか?」
「なんだ?」
「あなたはこの一月の間、曲を弾き、歌を歌ってくださいました。その音色と歌声に我らは心を惹かれていきました。その中でも、私が、いえ我ら旅をするものならば好きになるあの曲を歌ってはいただけないでしょうか?」
「いいぜ、聴いていきな、おれの歌を。そしてハートで感じろ!!いくぜ!!PARADE!!」


この人との出会いは、一月前、陳留を出る日だった。
最初は変わった人程度の印象しかなかった。
だが、この人と旅をして行くうちにそれだけでは無くなった。
旅の間この人は歌を歌い、我らを楽しませてくれた。
そしてその歌の一つ一つが聴いたことも無いような音色や曲調、詩の使い方であり、心が惹かれていった。
中でも特に私、いや我らが心を奪われたのはこの『ぱれえど』という歌だ。
この歌は、見えない明日を恐れずに足を進めろ。
昨日という過去はもはや遠いものにすぎない。
そして目指す場所へ行こう。
それだけではなく、旅をすることへの恐れを考えずに旅をすることへの楽しみやどんなものがあるかの期待を歌っている。
それだけを表現している訳では無いだろうがそんなことを感じる。
これは私だけが感じていることでは無いだろう。
この歌を聴いた時に若い頃に旅をし始めた頃のことを思い出し懐かしく感じた。
そして、その時の情熱を思い出した。
それをさせてくれたのがこの人だ。
だから私は
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