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真・恋姫無双〜中華に響く熱き歌
閑話2 私は夏侯惇元譲だ!
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これは、バサラが陳留の食堂にて歌った日の夜のこと。
場所は陳留の城の役人や軍人が住む寮である。
そこである女性が自室にて悩んでいるようである。
その女性の名は夏侯惇、字は元譲という。
彼女は陳留の刺使である曹操に仕える武人であり、曹操軍随一の武を持っている。
そして忠義においても並外れているが、忠義のあまり暴走してしまうことが多々あり、度々騒ぎを起こしている。
まあ、他にも言いづらいことではあるが、彼女は頭脳労働は苦手らしく、戦の兵法などの出来は、その、まあ、察してくださいというのが人々の認識である。
そんな人物ではあるが、兵や文官、はては民にも慕われている。
それは彼女の武勇は自分たちを守り、敵を打ち砕き、忠義においては自他共に認めており、そして、その人柄は良くも悪くもまっすぐで疑うことを知らぬが、そこが彼女の人気を高くしている。
結果、彼女は曹操臣下において随一の人気者でもある。
それだけではなく、彼女は幼きころから曹操に仕え、苦労を共にしている。
それらのことから曹操臣下の者や民、彼女自身、そして曹操も彼女を曹操の右腕であると認めている。
そんな人物が何やら悩んでいる。

(・・・今日、町の食堂での男の歌は、すごかった・・・)
どうやらバサラのことを考えているようである。

(歌など、詩を嗜むもののやることで、私のような武人には縁が無いと思っていたがな・・・)

(あれほど体を、心を、魂を熱くするものだとは思わなかった・・・)

(あれほど私を熱くさせたことなど、戦でも、試合においても無かった・・・)

(歌が、それも、男の歌でとは、な)

夏侯惇にとって、今まで生きてきて、主君を除き、自分を熱くさせるものなど、武の他に無かった。
それは、自分には、武の才能が有り、文、つまり知の才能が無かったからである。
夏侯惇は自分なりに考え、主君である曹操の役にたつ為には、武を鍛えるしかないと思い、ひたすら励んできた。
その努力が実り、今やこの広い中華においても彼女に並び立つ者は数える程しかいないだろう。
そして、彼女自身も武を鍛え、磨き上げることに喜びを感じ、今だに努力を欠かさない。
もはや彼女にとっては一部であり、誇りとなっている。
そして、彼女は今までの人生の経験から男にあまり興味を持っていない。
それは、主君曹操とは君臣の関係だけでなく、私的な関係においても親愛以上の感情を持っているからである。
つまり、幼きころから100年に1人の天才といえる曹操と幼きころから共に過ごしたことで、並の男、いや曹操以下の男になどあまり興味が湧かないのである。
そして彼女自身が曹操の右腕と言われるほどの存在であり、武においても中華有数のものである。
これでは、もし彼女が男に多少興味を示しても、大多数の男
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