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もし俺がFate/Zeroの世界でランサーのマスターになった場合
第五槍
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アインツベルン城



「何をしているの?」

「ん? ああ。他のマスターの情報が届いたんだよ」

アイリスフィール・フォン・アインツベルンの問いに答えた衛宮切嗣はそう言って送られてきた資料を手に取り、その片手間にパソコンのキーボードをタイプする。


「情報を整理してみようか。今のところ判明しているマスターは三人だ」

切嗣はデスクに重ねられた先程の物とは違う二枚の資料を手に取り、それを見る

「一人目は遠坂時臣。遠坂家当主の宝石魔術と炎の魔術を使う厄介な相手だ」

「二人目は間桐雁夜。間桐からの参加らしいが、今までろくに魔術と関わりが無かったみたいだ。だうやら、間桐はかなり切羽詰まっているようだな」

「そして三人目は……」

「衛宮切嗣」

その時、後ろからかけられた声に切嗣は振り向いた。見ると、アイリスフィールが切嗣を見つめ、微笑んでいた。

「アインツベルンの最強の切り札。そして、私の最愛の人」

その言葉に、切嗣はつい顔を緩めた。

「そうだね、それと三人……いや、四人目のマスター。言峰綺礼」

「へぇ! 聖堂教会からの参加ですって」

「ああ。ちょっと読んでみてくれ」

手渡された資料を受け取ったアイリスフィールは綺礼の経歴に感嘆の声をあげた。
しかし、切嗣はその経歴を読んで、どこか理解のできない不気味さを感じていた。

様々な技術、魔術を習いながらも、あと一歩のところでそれを放り出す。まるでそれがごみ当然のように。そわな男が聖杯に何を求めるのか。切嗣は不安でならなかった。

「だけど、今回の聖杯戦争。もっと不気味なやつがいる」

「え? 判明しているマスターはもう終わりでしょ?」

「ああ。身元や所属がはっきりとしているマスターはね。もう一人、マスターに選ばれた魔術師がいるけど、こいつについてはほとんど分からなかった」

デスクにつき、とある資料を印刷した切嗣はそれをアイリスフィールに見せた。

「物部白水……随分と若いのね」

「まだ高校生だからね。だが、こいつについては名前と所属している高校名くらいしか分からなかったよ。他はさっぱりだ」

魔術師の家系でもなく、それどころか、親も不明。魔術教会に所属していない切嗣と同じ野良の魔術師。使う魔術、属性も不明。経歴を調べてみてもちぐはぐの違和感だらけ。まるで、突然そこに現れたような。

「とにかくだ。今回の聖杯戦争、警戒しておいて損はない。……ま、どんな相手でも敵には代わりないけどね」

ーーーーーーーーーー



そういえば、英霊を呼び出したら、今回の監督役に伝わるんだよな。

俺は学校で出された課題を仕上げると、ふとそんなことを思いだした。

てこ
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